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インプラント周囲炎とは?初期症状・原因・治療法|再治療を防ぐセルフケアと受診目安

2026年1月25日

 

インプラント周囲炎とは?

インプラント周囲炎とは、インプラント治療後に人工歯根の周りの歯茎や顎の骨に炎症が起きる病気です。

インプラント自体は人工物のため「むし歯」にはなりません。しかし、インプラントを取り囲む歯茎や顎の骨は患者さんご自身の生身の組織であり、細菌による感染症のリスクにさらされています。不適切な口腔ケアによってインプラントの周囲に細菌が蓄積すると、歯垢や歯石として固まり、炎症を引き起こします。

この病気のメカニズムは歯周病と同様です。初期段階では歯茎に軽い炎症や赤み、腫れが見られますが、痛みを感じることはほとんどありません。しかし、この段階で適切な処置が行われないと、炎症は次第に進行し、骨の吸収やインプラントの動揺につながります。

最悪の場合、インプラントが骨から離れて不安定になり、脱落するリスクがあります。

インプラント周囲炎の初期症状を見逃さない

初期症状は非常に軽微で、気づきにくいことが特徴です。

インプラント周囲炎の恐ろしさは、初期段階では炎症を起こさず、痛みも出血もないという点にあります。インプラント周囲炎が始まっているのに、違和感なく食事をすることもできてしまうのです。これは歯周病とはまったく異なる傾向で、歯周病では初期段階から歯肉に小さな刺激を与えただけで簡単に出血します。

初期段階で現れるサイン

初期症状として、まずインプラント周囲の歯茎が赤く腫れることがあります。この腫れは、炎症が始まっているサインであり、健康な歯茎に比べて柔らかく、触れると不快感を感じることがあります。次に、歯磨きや食事の際に軽い出血が見られることがあります。通常、出血は歯茎が炎症を起こしている場合に起こりやすく、初期段階では痛みがほとんどないため、見過ごされがちです。

また、口臭が気になるようになることもあります。これは、細菌がインプラント周囲にたまり、歯垢として蓄積することが原因です。さらに、インプラント周囲の歯茎が少しずつ退縮し、インプラントが通常よりも見えるようになる場合もあります。これは、炎症によって歯茎が徐々に下がっていることを示しています。

進行度別の症状

インプラント周囲炎の進行度に応じて、以下のような症状が現れます。

  • 軽度…歯茎の軽い腫れと出血、歯磨きの時にたまに血が出るが、どこから血が出るか分からない、インプラントを歯磨きするとたまに痛む
  • 中等度…歯茎の強い炎症、出血、骨の一部減少、インプラントの歯茎が腫れたような感じがする、食事の時にたまにインプラントで噛むと違和感がある
  • 重度…深刻な骨の減少、インプラントの動揺、持続的な痛み、インプラントを触るとグラグラする、インプラントを触ると血と膿が出る、インプラントで噛むと違和感や痛みがある

初期の兆候がみえにくいインプラント周囲炎ですが、病気の進行はとても速く、歯周病の10~20倍のスピードで悪化するといわれています。

インプラント周囲炎の原因を理解する

インプラント周囲炎の主な原因は、口腔内のバイオフィルム(歯垢)の蓄積や不適切な口腔ケアでの口の中の細菌による感染です。

特にバイオフィルムと呼ばれる歯垢がインプラントの周囲にたまると、これが炎症を引き起こします。

主な発症要因

インプラント周囲炎を引き起こす主な要因として、以下が挙げられます。

  • 不適切な口腔ケア…ブラッシングやフロスが十分でないと、バイオフィルムがたまりやすくなります
  • 喫煙…口腔内の健康に悪影響を及ぼし、インプラント周囲炎のリスクを高めます。喫煙することにより、血管の収縮が起こり血管内に酸素が上手く運ばれなくなります。そうすると栄養が歯茎に届きにくくなり、身体の免疫能力も落としてしまうので、歯周病に感染した時に発症がしやすくなってしまいます
  • 全身的な健康状態…糖尿病などの病気があると、感染症に対する抵抗力が低下します
  • インプラントの不適切な位置…インプラントが正しく配置されていない場合も、周囲の歯茎や骨に負担がかかりやすくなります
  • 歯ぎしり…無意識の力はとても強く、通常の食事の2〜3倍の力が加わります。インプラントには刺激を受け取る「歯根膜」がないので、直接刺激が顎の骨に伝わり、この刺激が炎症に繋がります

メンテナンス不足が最大のリスク

インプラント治療後のメンテナンス不足が不足してしまうと、インプラント周囲炎を引き起こす可能性が高まります。

この細菌感染症はお口の中の細菌、プラークが原因です。このプラークが汚れとして溜まってしまい、お口の中の環境が悪くなると歯周病やインプラント周囲炎になってしまいます。そうならないために、歯科医院で定期的に検診やクリーニングをしっかり受けていただくことがとても大切です。

インプラント周囲炎の治療方法

インプラント周囲炎が確認された場合は早急に治療を受けることが必要です。

治療法は症状の進行度によって異なります。

初期段階の治療

初期状態のインプラント周囲炎であれば、スケーリングやクリーニングが行われます。これにより、原因となる細菌を取り除き、炎症を抑えることができます。ケースによっては抗生物質の投与も行われます。歯科医院での定期検診を受診することで、適切なケアとホームケアでの指導により、インプラントを長期間健康に保つことができます。

中等度から重度の治療

症状が進行している場合、症状によっては外科的な手術が行われることもあります。感染部位の清掃や骨の再生を促進するための処置が必要となります。中等度から重度のインプラント周囲炎になると、歯茎の退縮が進行し、インプラントの金属部分が露出してきます。これは、見た目にも影響を与え、審美的な問題を引き起こすことがあります。

さらに、インプラント周囲の骨が徐々に減少し始めます。この骨吸収が進行すると、インプラントを支える基盤が失われ、最終的にはインプラントが不安定になり、脱落する可能性があります。

重度の場合の対応

インプラント周囲炎の重度では、インプラントの撤去の可能性もあります。インプラント周囲炎では、インプラントを支えている顎の骨が溶けているのに痛みがまったくないこともあります。しかしインプラント周囲炎が悪化すると、インプラントがぐらぐら揺れるようになります。もし指でインプラントを押してみて少しでも動くようでしたら、早急に歯科医院に診てもらう必要があります。

再治療を防ぐセルフケアの実践

インプラント周囲炎を予防するには、まずは毎日の歯磨き+歯間清掃によるセルフケアを行うことが大切です。

毎日の歯磨きの基本

インプラント治療後のセルフケアで最も大切なのは「毎日の歯磨き」です。

歯磨きは最低でも毎食後、1日3回は磨いてください。そして晩御飯を早く済ませて早く夜の歯磨きをしたときは、夜寝る前にもう一度歯磨きしてもいいくらいです。毎食後に歯磨き+歯間清掃をするのがベストですが、時間が取れない・忙しい場合は寝る前の歯磨き+歯間清掃だけはしっかり行うようにしましょう。

正しい磨き方のポイント

歯磨きを行う際には正しい磨き方で歯を磨くことが重要です。

  • 歯ブラシの毛先を使い細かく振動させて磨く…歯磨きをする時に歯ブラシの毛先の部分を優しく歯の表面にあてながら、細かく歯ブラシを振動させて磨くようにする方法がおすすめです
  • 歯ブラシは「親指・人差し指・中指」で持つ…3本の指でペンを軽く持つようにすることで、小刻みに歯ブラシを動かしやすくなります。必要以上に力が入りすぎるのを防ぐことができ、歯と歯茎の境目など、細かい部分も磨きやすくなります
  • 順番を決めて磨く…プラークの取り残しを防ぐため、歯を磨く時には「順番を決めて」磨くことをおすすめします。上あごの歯の裏側を磨く時に「ぐるっと一周して裏側だけを磨く」ようにする方法がおすすめです

歯間清掃の重要性

1日4回の歯ブラシでも、インプラントを入れた方には十分ではありません。

デンタルフロスまたは歯間ブラシもしっかり使ってください。細菌は歯ブラシの毛が届かないところに潜んでいます。それを取り除けるのはデンタルフロスか歯間ブラシだけです。歯と歯のすき間にある汚れを落とすには、歯ブラシを使って行う歯磨きだけでは不十分です。歯と歯のすき間に溜まったプラークや食べカスは、デンタルフロスや歯間ブラシを使うことで効果的に汚れを落とすことができます。

歯磨き粉の選び方

インプラント治療後に行う歯磨きの時に、粒の粗い「つぶつぶタイプ」などの歯磨き粉を使ってしまうと歯磨き粉の粒子が埋め入れたインプラントと歯茎の間に入り込み、炎症を起こしてしまう恐れがあります。

そのためインプラント治療後に行う歯磨きでは粒子が細かい歯磨き粉を使うようにするか、デンタルリンスなどの洗口剤を利用して歯磨きを行いましょう。なお、歯磨き粉や洗口剤は必ずしも歯磨きの際には必要な物ではありませんので、何も使わずに水で歯ブラシを濡らして歯磨きをするのもおすすめの方法です。

外出先でのケア

外出先や勤務先などでおやつや食事を食べた後には、必ず歯を磨くようにしましょう。

会社員は社内に歯磨きをする場所がないと、ランチ後に歯磨きをせずにすごしてしまうかもしれませんが、それは回避してください。また、夜、会食会があって外食するときも食後の歯磨きを怠りがちです。歯ブラシを携行するようにしましょう。

生活習慣の改善とリスク管理

インプラントを入れたら、規則正しい生活と食生活の改善に取り組みましょう。

禁煙の必要性

タバコはNGです。禁煙しましょう。

タバコは血管を収縮させる効果があります。血管が収縮すると血液の巡りが悪化します。血液の流れが滞ると細胞に栄養と酸素が届かず、細菌に打ち負けてしまいます。この状態を「抵抗力が落ちた」「免疫力が落ちた」といいます。それではインプラント周囲炎を引き起こす細菌を叩くことができません。

歯ぎしり対策

歯ぎしりもまた、歯周病を進行させます。

歯ぎしりは、自分の無意識で行っていることがほとんどです。無意識の力はとても強く、通常の食事の2〜3倍の力が加わります。普通の歯は、歯への刺激を受け取ってくれる「歯根膜」というものがあります。しかし、インプラントにはこれがないので、直接刺激が顎の骨に伝わります。この刺激が、炎症に繋がり、インプラント周囲炎を引き起こします。そのためには事前にマウスピースを作り寝る時に装着することで、歯ぎしりによる負担を軽減できます。

全身疾患の管理

糖尿病や心臓病、高血圧などの理由でインプラントを断られるケースはよく見受けられます。

以前は、これらの症状がある場合は、多少リスクが高くなるとされていたため、断る医院さんが多かったようです。ただし、近年では、体調の改善と共に、生体モニタリングなどを注視しながら行うことで可能になることもあります。内科医の判断も仰ぎながら、適切な管理のもとでインプラント治療を受けることが可能な場合があります。

定期メンテナンスの重要性と受診目安

インプラント治療は、インプラントを埋めたら終わりというようなものではありません。

長く使い続けていただくためには、治療後も定期的にメンテナンスを行っていく必要があります。

定期メンテナンスの内容

歯科医院で受ける定期メンテナンスも欠かせません。

定期メンテナンスではインプラントの状態、および、お口の健康チェックを行います。インプラント治療後は3〜6ヶ月ごとの定期検診を受けるようにしましょう。科学的根拠に基づいたオリジナルのメンテナンスシステムがあり、患者さんそれぞれに合わせたメンテナンスプログラムを作成し、インプラントも含めたお口の全体の状態を管理します。

早期受診が必要なサイン

以下のような症状が現れた場合は、早急に歯科医院を受診してください。

  • 歯茎の色が淡いピンク色ではなく、赤みや腫れが見られる場合
  • 歯磨きの際に出血がみられる場合
  • 食事や歯磨きの際に痛みを感じる場合
  • 不快な口臭を自覚する場合
  • インプラントがぐらつく感覚がある場合

これらの観察ポイントをしっかり押さえて自分の口腔環境をチェックするだけでなく、インプラント治療を受けたあとは定期的に歯科医院で診てもらうことが重要になります。

むらせ歯科千葉みなと院のフォロー体制

むらせ歯科千葉みなと院では、インプラント治療後のフォローアップも重視しています。

インプラント周囲炎を防ぐための科学的根拠に基づいたオリジナルメンテナンスシステムを提供しています。CT装置、シミュレーションソフト、ガイデッドサージェリーを活用した「コンピュータインプラント」で安全性を向上させ、世界シェア1位の「ストローマン」と2位の「ノーベルバイオケア」の製品を採用しています。

また、10年保証システム「ガイドデント」により、偶発的な事故も保証対象となり、全国の認定医院で保証を受けられるため、引越し後も安心です。糖尿病や心臓病などで他院で断られた方も内科医の判断を仰ぎながら対応できる可能性があります。

まとめ|インプラントを長持ちさせるために

インプラント周囲炎は、適切なケアを怠ると誰にでも起こりうる病気です。

しかし、毎日のセルフケアと定期的なメンテナンスをしっかり行うことで、予防することができます。初期症状を見逃さず、少しでも異変を感じたら早めに歯科医院を受診することが大切です。インプラントは「他の歯を守る」手段でもあり、しっかりと噛むことで脳に新鮮な血液が行き渡って、認知症予防になるという研究結果も報告されています。

インプラント周囲炎の予防と早期発見・早期治療により、インプラントを長期間健康に保ち、快適な食生活と笑顔を守り続けましょう。

むらせ歯科千葉みなと院では、天然歯を最優先に考え、可能な限り抜歯を避ける方針を貫いています。単にインプラントを勧めるのではなく、患者さんの状態を詳しく検査し、必要な場合にのみインプラント治療を提案する、患者本位の治療方針で、皆さまのお口の健康をサポートしています。

 

矯正後の後戻りを防ぐ保定(リテーナー)完全ガイド|期間・種類・サボるリスク

2026年1月24日

矯正治療後に必要な「保定」とは

長い矯正治療を終えて、ようやく手に入れた美しい歯並び。

しかし、ここで安心してはいけません。矯正装置を外した直後の歯は、実はまだ不安定な状態にあります。歯を支える骨や歯周組織が新しい位置に完全に適応するまでには時間がかかり、何も対策をしなければ「後戻り」と呼ばれる現象が起こってしまう可能性があるのです。

この後戻りを防ぐために必要なのが「保定」という治療段階になります。保定とは、矯正治療で動かした歯を新しい位置に固定し、安定させるための期間を指します。この期間に使用する装置が「リテーナー(保定装置)」です。

歯には元の位置に戻ろうとする性質があり、矯正治療によって移動した歯の周囲では、歯根膜線維という組織が伸展した状態になっています。この線維がゴムのように歯を元の位置へ引き戻そうとする力を発揮するのです。また、舌や唇の圧力、噛み合わせの癖なども後戻りの原因となります。

保定期間を適切に過ごすことで、矯正治療で得た結果を長期間維持することができます。逆に、この期間をおろそかにすると、せっかくの治療が無駄になってしまうこともあるのです。

リテーナーの種類と特徴

リテーナーは「取り外し式」と「固定式」の2種類に分かれ、それぞれ特徴が異なります。

患者さんの歯並びの状態や生活スタイル、後戻りのリスクなどを考慮して、最適なタイプを選択していきます。

取り外し式リテーナーの種類

マウスピースタイプ(クリアリテーナー)は、透明なプラスチック素材で作られた装置です。歯列全体を覆う形状で、目立ちにくいという大きなメリットがあります。食事や歯磨きの際には取り外すことができるため、口腔ケアがしやすく、日常生活への影響も最小限に抑えられます。

ただし、歯ぎしりや食いしばりの癖がある方は、装置がすり減って穴が開く可能性があります。定期的な交換が必要になることもあるでしょう。

プレートタイプには、「ベッグタイプリテーナー」と「ホーレータイプリテーナー」があります。ベッグタイプは歯列全体をワイヤーで囲み、裏側はプラスチックのプレートで覆う構造です。すべての歯を固定するため、保定力が高く、咬み合わせが安定しやすいという特徴があります。

ホーレータイプは、特に後戻りしやすい前歯部分を重点的に固定する設計になっています。ワイヤーが前歯の表側だけに通るため、ベッグタイプよりも目立ちにくいというメリットがあります。

プレートタイプは耐久性に優れており、万が一壊れた場合でも修理が比較的容易です。しかし、装置が大きめで歯ぐきまで覆うため、慣れるまで違和感を感じる方もいらっしゃいます。

固定式リテーナーの特徴

固定式リテーナー(フィックスタイプリテーナー)は、歯の裏側に細い金属のワイヤーを接着して固定するタイプです。

自分で取り外すことができないため、装着忘れの心配がありません。24時間体制で歯の位置を保持できるため、特に前歯の後戻りが起こりやすい方に適しています。装置自体が小さく目立たないため、審美的にも優れています。

ただし、ワイヤーが接着された部分は歯磨きがしづらいため、清掃には工夫が必要です。歯間ブラシやフロスを使った丁寧なケアが求められます。また、リテーナー使用時には、装置の破損、違和感、発音への影響などが生じる場合があることもご理解ください。

リテーナーの装着期間はどのくらい?

多くの患者さんが気になるのが、「リテーナーはいつまで装着すればいいのか」という点でしょう。

一般的に、保定期間は矯正治療期間と同じくらいの2〜3年が目安とされています。ただし、これはあくまで目安であり、個人差があります。元の歯並びの状態や治療内容、年齢などによって必要な期間は変わってきます。

保定期間の段階的な変化

矯正治療が終わった直後の約1年間は、歯を磨く時以外はほぼ一日中リテーナーを装着していただきます。この時期は歯を支える骨がまだ完全に形成されておらず、歯周組織も不安定な状態にあるため、最も注意が必要な期間です。

歯の位置が徐々に安定してきたと歯科医師が判断すれば、装着時間を段階的に減らしていきます。夜間だけの装着に切り替えるなど、1日の装着時間を減らすことができるようになります。

保定期間が終わった後も、可能な限りリテーナーを装着し続けることをおすすめします。歯は加齢や日常の習慣によって一生動き続けるものです。食事や歯ぎしり、食いしばりなどの癖で徐々に歯がすり減ると、咬み合わせが変わることがあります。また、歯を支える顎の骨量は加齢によって減少し、歯茎が痩せ細ることも歯並びや咬み合わせを変化させる原因となります。

理想を言えば、一生装着し続けるのがベストです。長期的にリテーナーを装着することで、整った歯並びを維持できるだけでなく、後戻りのセルフチェックにもなります。リテーナーがきつくなったり、合わなくなったりすることで、歯並びのズレに早めに気づくことができるのです。

リテーナーをサボるとどうなる?後戻りのリスク

「1日くらい外しても大丈夫だろう」

そう思って装着をサボってしまうことがあるかもしれません。しかし、この「少しの油断」が思わぬトラブルにつながることがあります。

短期間サボった場合の影響

リテーナーを1日サボった場合、すぐに大きな問題が起きることは少ないかもしれません。しかし、再度装着した際に違和感や圧迫感を感じることがあります。これは、短時間でも歯が動き始めている可能性を示しています。

数日間サボると、歯の位置が微妙に変わり始めます。この変化は最初はわずかでも、繰り返すことで蓄積していきます。リテーナーが浮いたり、装着時に痛みが出たりすることもあるでしょう。

長期間サボった場合の深刻な影響

リテーナーを長期間サボると、影響はより深刻になります。歯は元の位置へと戻り始め、矯正前の状態に逆戻りする可能性が高まります。特に矯正治療直後の数ヶ月は、骨のリモデリング(再形成)が活発に行われる重要な時期です。この時期に装着を怠ると、後戻りが定着しやすくなります。

後戻りが大きく進行すると、それまで使用していたリテーナーが合わなくなり、装着できなくなることもあります。その場合、リテーナーの再製作が必要となり、歯並びの状態によっては再矯正が必要になるケースもあります。

せっかく時間とコストをかけて整えた歯並びが崩れるだけでなく、噛み合わせの問題や顎関節への負担、さらには虫歯や歯周病のリスク増加にもつながる可能性があります。

後戻りしやすい部位

後戻りが最も起こりやすい部位は下顎の前歯です。この部分は特に注意が必要で、固定式のリテーナーをつけることで後戻りを防ぐ効果が期待できます。

後戻りが起こる原因は、歯根の周りの繊維が新しい位置に落ち着くまで元の位置に引っ張ろうとするからだけではありません。舌や唇・頬など歯列を取り巻く筋肉によっても後戻りが起こります。

リテーナーの正しい使い方と管理方法

リテーナーの効果を最大限に発揮するためには、正しい使い方と適切な管理が欠かせません。

装着時間を守る

歯科医師から指示された装着時間を守ることが重要です。治療初期の段階では、食事や歯磨き以外のほぼ一日中装着することが求められます。「少しくらい」という気持ちが後戻りのリスクを高めてしまいます。

装着を忘れないように、生活習慣に組み込むことが大切です。例えば、朝起きたら装着する、寝る前に必ず装着するなど、ルーティンとして定着させましょう。

正しい着脱方法

取り外し式リテーナーは、正しい方法で着脱することが重要です。無理に引っ張ったり、片側だけを外したりすると、装置が変形したり破損したりする可能性があります。

装着する際は、両手で均等に力をかけながら、歯にしっかりとフィットさせます。外す際も、両側から均等に力をかけて、ゆっくりと外すようにしましょう。

清掃とお手入れ

リテーナーは毎日清掃する必要があります。取り外し式の場合は、食後や就寝前に洗浄することをおすすめします。ぬるま湯と歯ブラシを使って優しく洗い、専用の洗浄剤を使用するとより効果的です。

固定式リテーナーの場合は、歯間ブラシやフロスを使って、ワイヤーの周りを丁寧に清掃します。食べ物のカスが溜まりやすい部分なので、特に注意が必要です。

熱湯での洗浄は避けてください。プラスチック部分が変形する可能性があります。また、アルコール系の洗浄剤も装置を劣化させる原因となるため、使用は控えましょう。

保管方法

リテーナーを外した際は、専用のケースに保管することが大切です。ティッシュに包んで置いておくと、誤って捨ててしまったり、ペットに噛まれたりする事故が起こりやすくなります。

保管場所は、直射日光や高温多湿を避けた場所を選びましょう。変形や劣化の原因となります。

定期的な通院とチェック

保定期間中も定期的に歯科医院を受診し、歯並びの状態やリテーナーの適合性をチェックしてもらいましょう。後戻りの兆候を早期に発見できれば、大きな問題になる前に対処することができます。

リテーナーが破損したり、紛失したりした場合は、すぐに歯科医院に連絡してください。放置すると後戻りが進行してしまいます。作り直しには費用と時間がかかるため、日頃から丁寧に扱うことが大切です。

むらせ歯科千葉みなと院の矯正治療と保定サポート

当院では、矯正治療だけでなく、治療後の保定期間までしっかりとサポートしています。

日本矯正歯科学会有資格者のドクターが在籍しており、専門的な知識と豊富な臨床経験に基づいた治療を提供しています。透明で目立ちにくいマウスピース型矯正装置「インビザライン」を取り扱っており、患者さんとのコミュニケーションアプリを導入することで、歯の移動状況を視覚的に確認できるようにしています。

矯正治療と同時に、虫歯治療や歯周病治療にも対応しているため、矯正治療前の初期処置や矯正中の口内環境維持をトータルでサポートできます。また、顎関節に配慮したスプリント療法も実施しており、顎関節症に起因する症状の改善が期待できる場合があります。

保定治療では、きれいに並んだ歯並びを維持するためのメンテナンスを行います。歯並びは永久的なものではなく、加齢変化で徐々に変化していくものです。アンチエイジングの意味でも、きれいに並んだ歯をずっときれいに維持するために、保定装置を用いたメインテナンスが必要になります。

当院では、患者さん一人ひとりの状態に合わせた最適なリテーナーを選択し、装着方法や管理方法について丁寧に指導しています。定期的なチェックを通じて、後戻りの兆候を早期に発見し、必要に応じて適切な対応を行います。

美しい歯並びを長期間維持するためには、矯正治療後の保定期間が非常に重要です。せっかく時間とコストをかけて整えた歯並びを守るために、リテーナーの正しい使用と定期的なメンテナンスを心がけましょう。

矯正治療や保定についてご不安な点がございましたら、お気軽にご相談ください。専門的な知識を持ったスタッフが、患者さんの美しい笑顔を守るために全力でサポートいたします。

 

矯正は抜歯が必要?不要?判断基準と抜歯矯正のメリット・リスク

2026年1月23日

 

歯列矯正で抜歯が必要になるケースとは?

歯列矯正を検討する際、多くの方が最初に抱く疑問が「抜歯は必要なのか」という点です。

健康な歯を抜くことに抵抗を感じるのは当然のことでしょう。しかし、抜歯の判断は単純な二択ではなく、歯並びの状態や顎の大きさ、横顔のバランス、不正咬合の種類など、さまざまな要素を総合的に評価して決定されます。

矯正治療で抜歯が必要となる主な理由は・・・歯を並べるためのスペースを確保することです。顎が小さく歯が大きい場合、すべての歯が顎のアーチに収まりきらず、「叢生(そうせい)」と呼ばれるガタガタの歯並びになってしまいます。このような場合、抜歯によってスペースを作ることで、理想的な歯列と噛み合わせを実現できます。

また、「出っ歯」と呼ばれる上顎前突の改善や、口元の突出感を解消するためにも抜歯が選択されることがあります。前歯を後方に移動させるには十分な空間が必要となるため、小臼歯(前から4番目の歯)を抜歯することで、前歯を適切な位置へ移動させることが可能になります。

抜歯が必要と判断される4つの基準

矯正治療における抜歯の判断には、明確な基準が存在します。

専門医は以下の4つの要素を総合的に評価し、患者さん一人ひとりに最適な治療方針を決定します。

デコボコの量(叢生の程度)

歯並びのガタガタが大きい場合、歯を並べるための隙間が必要になります。デコボコを解消する方法は抜歯だけではなく、歯列の側方拡大、奥歯の後方移動、IPR(歯の幅をわずかに削る方法)などがあります。

小臼歯を抜歯すると、7~8mmの隙間を確実に作ることができます。デコボコが大きく、他の方法では十分なスペースを確保できない場合に抜歯が選択されます。

上下歯列の前後的なズレ

上顎と下顎の噛み合わせに大きなズレがある場合、抜歯によって前歯の位置を調整し、適切な噛み合わせを作ることができます。骨格性の不正咬合では、抜歯が有効な手段となることが多いです。

前歯の角度

前歯が前方に大きく傾斜している場合、適正な角度に戻すためのスペースが必要です。抜歯によって空間を確保することで、前歯を理想的な位置と角度に移動させることができます。

口元の突出の程度

横顔のライン(Eライン)の改善を目指す場合、前歯を後退させる必要があります。口元の突出感が強い場合は、抜歯によって前歯を後方に移動させることで、美しい横顔のバランスを実現できます。

これらの基準に複数当てはまる場合、抜歯矯正が適している可能性が高くなります。ただし、最終的な判断は精密検査の結果を基に、専門医が総合的に行います。

抜歯矯正のメリットとデメリット

抜歯矯正には明確なメリットがある一方で、理解しておくべきデメリットも存在します。

抜歯矯正のメリット

最も大きなメリットは・・・確実にスペースを確保できることです。小臼歯を抜歯することで14~16mmの隙間を作ることができ、どんなに大きなデコボコでも対応可能になります。

また、前歯を大きく後退させることができるため、出っ歯や口元の突出を効果的に改善できます。横顔のラインが整い、口を閉じやすくなるなど、審美的な改善効果が高いのが特徴です。

さらに、適切な噛み合わせを作りやすく、治療後の安定性が高いという利点もあります。無理に歯を並べることがないため、歯根や歯茎へのダメージを最小限に抑えることができます。

抜歯矯正のデメリット

健康な歯を抜くことへの心理的抵抗は、多くの患者さんが感じることです。一度抜いた歯は元に戻せないため、慎重な判断が必要です。

また、抜歯後の痛みや腫れ、回復期間が必要となります。治療期間も非抜歯矯正に比べてやや長くなる傾向があり、一般的には1年半から2年半程度かかることが多いです。

抜歯部位の選定も重要で、通常は小臼歯(前から4番目の歯)が選ばれますが、症例によっては親知らずや他の歯が選択されることもあります。

非抜歯で治療できるケースとは?

すべての症例で抜歯が必要というわけではありません。

軽度の叢生や、奥歯を後方へ移動させることでスペースを確保できるケースでは、非抜歯での矯正治療が可能です。近年、マウスピース矯正の技術向上により、非抜歯の選択肢が増えています。

非抜歯矯正が適しているケース

歯の重なりが軽度で、小さな調整で対応できる場合は非抜歯が可能です。また、奥歯を後ろに動かしてスペースを確保できる場合や、IPR(歯の幅をわずかに削る方法)で数ミリの隙間を作れる場合も、非抜歯での治療が選択されます。

顎に余裕があり、元々の骨格バランスが良い場合は、歯列を並べやすく非抜歯が選びやすくなります。

非抜歯矯正の注意点

無理に非抜歯にこだわると、口元の突出が悪化することがあります。歯を外側に押し出して並べると、前歯が前方に飛び出し、口を閉じても口元が出てしまう「口ゴボ」の状態になる可能性があります。

また、非抜歯矯正によって治療後に歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起きやすくなることや、一部の歯に過剰な負担がかかり、歯周病のリスクが高まることもあります。

日本矯正歯科学会の報告によると、無理な非抜歯矯正による相談件数は増加傾向にあり、「以前より口元が出てしまった」「前歯で噛めなくなってしまった」といった相談が毎月複数件寄せられています。

出典

公益社団法人 日本臨床矯正歯科医会「矯正歯科何でも相談」

(2019年)より作成

抜歯する歯の選び方と判断基準

矯正治療で抜歯が必要と判断された場合、どの歯を抜くかは慎重に決定されます。

最も一般的なのは、前から4番目の小臼歯を抜歯する方法です。小臼歯は前歯と奥歯の中間に位置し、抜歯後のスペースをバランスよく利用できるため選ばれることが多いです。

小臼歯抜歯が選ばれる理由

小臼歯は歯列の中心に近く、抜歯によって前歯を後退させるためのスペースを効率的に確保できます。また、噛み合わせへの影響が比較的少なく、審美的にも目立ちにくい位置にあります。

上下左右のバランスをとるために、通常は上下左右1本ずつ計4本を抜くことが一般的ですが、症例によっては上顎だけ2本、または下顎だけ2本を抜くこともあります。

親知らずや他の歯が選ばれるケース

親知らずが横向きや斜めに生えており、他の歯を押している場合は、矯正治療前に抜歯が推奨されます。親知らずが矯正の妨げになる場合や、治療後の後戻りの原因になる可能性がある場合も、抜歯が検討されます。

また、虫歯や歯周病で保存が難しい歯がある場合は、その歯を優先的に抜歯することもあります。歯の健康状態や位置、治療計画によって、最適な抜歯部位が選定されます。

抜歯後の痛みと回復プロセス

抜歯後の痛みや腫れは、多くの患者さんが不安に感じる点です。

実際の回復プロセスを理解しておくことで、治療への不安を軽減できます。

抜歯直後から数日間

抜歯後は麻酔が切れると痛みを感じることがありますが、処方された痛み止めで十分にコントロールできます。腫れは抜歯後2~3日目がピークで、その後徐々に引いていきます。

抜歯当日は激しい運動や入浴を避け、安静に過ごすことが推奨されます。食事は柔らかいものを選び、抜歯部位を避けて噛むようにしましょう。

1週間から2週間

多くの場合、1週間程度で痛みや腫れは大幅に軽減します。抜歯部位の傷口も徐々に治癒し、通常の食事ができるようになります。

この時期には抜糸が行われることが多く、その後は口腔内の違和感もほとんどなくなります。

完全な回復まで

抜歯部位の骨が完全に治癒するには数ヶ月かかりますが、日常生活に支障が出ることはありません。矯正装置の装着は、抜歯部位の初期治癒を待って開始されます。

抜歯後のケアとして、処方された抗生物質を指示通りに服用し、口腔内を清潔に保つことが重要です。うがいは優しく行い、抜歯部位を刺激しないよう注意しましょう。

抜歯矯正による顔の変化と横顔のバランス

抜歯矯正を検討する際、顔の見た目がどう変わるのかは大きな関心事です。

特に口元の突出が気になる方にとって、抜歯矯正は横顔のラインを美しく整える効果的な方法となります。

Eラインの改善

Eライン(エステティックライン)とは、鼻の先端と顎の先端を結んだ線のことで、理想的には唇がこのライン上か、やや内側に位置するとされています。

抜歯矯正によって前歯を後退させることで、口元の突出が改善され、横顔のバランスが整います。口を閉じやすくなり、自然な表情を作りやすくなる効果もあります。

顔の印象の変化

前歯が後退することで、顔全体の印象が洗練されます。ただし、過度に前歯を後退させると、逆に老けた印象になることもあるため、適切なバランスが重要です。

専門医は、顔の骨格や軟組織のバランスを総合的に評価し、患者さん一人ひとりに最適な治療計画を立案します。治療前のシミュレーションで、治療後の顔の変化を確認できる医院も増えています。

抜歯矯正の費用と治療期間

抜歯矯正の費用は、治療方法や医院によって異なります。

一般的に、表側のワイヤー矯正では77万円から88万円程度、マウスピース矯正では88万円から110万円程度が相場となっています。これらの費用には、抜歯費用や定期的な調整費用が含まれる場合と、別途かかる場合があります。

治療期間の目安

抜歯矯正の治療期間は、歯並びの状況や歯の動きやすさによって異なりますが、一般的には1年半から2年半程度です。非抜歯矯正に比べてやや長くなる傾向がありますが、確実な治療効果が期待できます。

治療期間中は、4週間から8週間ごとに定期的な通院が必要となり、1回あたり3,300円から5,500円程度の調整費用がかかることが一般的です。

保定期間の重要性

矯正治療後は、保定装置(リテーナー)を使用して、きれいに並んだ歯並びを維持する必要があります。保定期間は通常2年以上で、この期間を怠ると後戻りが起こる可能性があります。

保定期間中も定期的な通院が必要で、1回あたり3,300円程度の費用がかかります。リテーナーの紛失や破損時には、作り替えに6,600円程度の費用が必要となることもあります。

むらせ歯科千葉みなと院での矯正治療

むらせ歯科千葉みなと院では、日本矯正歯科学会有資格者が矯正治療を担当しています。

専門的な矯正治療の提供だけでなく、虫歯治療や歯周病治療にも対応しているため、矯正治療前の初期処置や矯正中の口内環境維持をトータルでサポートできる体制が整っています。

透明で目立ちにくいマウスピース矯正

当院では、透明で目立ちにくいマウスピース型矯正装置「インビザライン」を取り扱っています。取り外しが可能なため、食事や歯磨きも通常通り行えます。

患者さんとのコミュニケーションアプリを導入し、歯の移動状況をスライドショーでチェックできるシステムも特徴です。治療の進捗を視覚的に確認できることで、モチベーションの維持にもつながります。

ただし、装着時間が守られない場合は適切な治療効果が得られないことや、大幅な歯の移動が必要な場合はマウスピースのみでの矯正が難しい場合があるという制約もあります。

顎関節に配慮した治療

歯並びが悪いことで噛み合わせが悪くなっている方には、顎の関節にもトラブルがあることがあります。当院では矯正治療に入る前に、スプリント療法を行うことで、顎関節症などのトラブルも同時に改善していきます。

これによって、顎関節症起因の頭痛や肩こり、顎の痛みや疲れ、歯ぎしり、顎の異音などの改善が見込めます。スプリント療法は別途11万円(税込)の費用がかかります。

子供の矯正治療

お子様の矯正治療では、一般的に「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階で行います。Ⅰ期治療では、主に口腔周囲筋のトレーニングを行い、歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)を使用して口呼吸や舌癖などの悪習慣を改善します。

歯並びの状態によっては、Ⅰ期治療のみで完了する場合もあります。Ⅰ期治療が完了しても歯並びが悪い場合にⅡ期治療を実施します。患者さんの身体的負担や経済的負担を軽くするため、なるべく負担の少ない治療計画を立案しています。

予防矯正(永久歯が生えそろう前のお子様対象)は44万円(税込)、本格矯正(成人や永久歯に生え変わったお子様対象)では唇側マルチブラケット矯正が77万円~88万円(税込)、マウスピース矯正が88万円~110万円(税込)となっています。

矯正治療のリスクと副作用について

矯正歯科治療には、いくつかのリスクや副作用があることを理解しておく必要があります。

装置装着後は、違和感や痛みを感じることがあります。特に装置を調整した直後は、数日間痛みが続くことがありますが、徐々に慣れていきます。

また、矯正装置の装着により、歯磨きがしにくくなるため、虫歯や歯周病のリスクが増加します。適切なブラッシングと定期的なメンテナンスが重要です。

歯の移動に伴い、歯根が短くなる「歯根吸収」が起こることがあります。また、治療中に顎関節症状(顎の痛み、音がする、口が開けにくいなど)が発生することもあります。

これらのリスクを最小限に抑えるため、専門医による適切な診断と治療計画、そして患者さん自身の協力が不可欠です。

まとめ:自分に合った矯正治療を選ぶために

矯正治療における抜歯の判断は、デコボコの量、上下歯列のズレ、前歯の角度、口元の突出の程度という4つの基準を総合的に評価して決定されます。

抜歯矯正には、確実なスペース確保や横顔のバランス改善といったメリットがある一方で、健康な歯を抜くことへの心理的抵抗や治療期間の長さといったデメリットも存在します。

非抜歯での矯正も可能なケースはありますが、無理に非抜歯にこだわると口元の突出が悪化したり、後戻りが起きやすくなったりするリスクがあります。

最も重要なのは、専門医による精密な診断を受け、自分の歯並びの状態や治療目標に合わせて、最適な治療方針を選択することです。

むらせ歯科千葉みなと院では、日本矯正歯科学会有資格者が在籍し、患者さん一人ひとりに合わせた専門的な矯正治療を提供しています。矯正治療だけでなく、虫歯や歯周病の治療、顎関節症への対応など、トータルでの口腔内ケアが可能です。

歯並びが気になる方、矯正治療に興味のある方は、まずは矯正相談で専門医に相談してみることをおすすめします。資料取りと診断を経て、あなたに最適な治療計画をご提案いたします。

美しい歯並びと健康的な噛み合わせは、見た目の印象だけでなく、口腔内の健康維持にも大きく貢献します。自分に合った矯正治療を選び、理想の笑顔を手に入れましょう。

 

小児矯正で「失敗した」と感じる原因7選|よくある誤解と後悔しない対策

2026年1月22日

小児矯正で「失敗した」と感じる保護者が増えている理由

お子さんの歯並びを整えるために始めた小児矯正。

「きれいな歯並びになるはず」と期待していたのに、思うような結果が得られず後悔している保護者の方が少なくありません。近年、小児矯正を受けたものの「失敗した」と感じるケースが増加しており、その背景には治療方法や歯科医選びに関する誤解、そして患者側の協力不足など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。

小児矯正は、成長期の顎の発育を利用して歯並びを整える治療法です。適切に行えば、将来的な抜歯リスクを減らし、健康的な咬み合わせを獲得できる可能性が高まります。しかし、治療の進め方や装置の選択、そして何より患者さん自身の協力度によって、結果は大きく左右されるのです。

この記事では、小児矯正で「失敗した」と感じる主な原因を7つに分類し、それぞれの具体的な背景と対策をご紹介します。後悔しないための歯科医選びのポイントや、治療を成功に導くための重要な心構えについても解説しますので、これから小児矯正を検討されている方、あるいは現在治療中で不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

原因1:装着時間が守られていない

小児矯正で最も多い失敗原因の一つが、装置の装着時間不足です。

取り外し可能なマウスピース型矯正装置や床矯正装置は、一般的に1日12〜14時間以上の装着が必要とされています。しかし、お子さん自身が装着時間を管理することは難しく、保護者のサポートが不十分だと、十分な効果が得られません。装着時間が守られないと、歯が計画通りに動かず、治療期間が延びるだけでなく、最悪の場合は装置が合わなくなり、作り直しが必要になることもあります。

装着時間不足が引き起こす具体的な問題

装着時間が不足すると、歯が後戻りしやすくなります。矯正治療では、歯に持続的な力をかけることで少しずつ移動させていきますが、装着時間が短いと、その力が十分に伝わりません。結果として、歯が元の位置に戻ろうとする力の方が強くなり、治療効果が相殺されてしまうのです。

また、装着時間の管理ができていないと、定期的な調整のタイミングで歯科医が適切な判断を下せなくなります。治療計画は装着時間が守られていることを前提に立てられているため、実際の装着時間が計画と大きく異なると、治療方針の見直しが必要になることもあります。

装着時間を守るための工夫

お子さんが装置を確実に装着するためには、保護者の積極的な関与が不可欠です。装着時間を記録するチェックシートを作成し、毎日一緒に確認する習慣をつけると良いでしょう。また、装着を忘れないように、食事の後や就寝前など、決まったタイミングで装着するルーティンを確立することも効果的です。

お子さんのモチベーションを維持するために、装着時間の目標を達成したらご褒美を用意するなど、ポジティブな動機づけを行うことも有効です。ただし、ご褒美は甘いものではなく、お子さんが喜ぶ別の形にすることが望ましいでしょう。

原因2:保定装置の使用を怠った

矯正治療が終了した後の「保定期間」を軽視することも、失敗の大きな原因です。

動的治療が完了し、きれいに並んだ歯並びを維持するためには、保定装置(リテーナー)の使用が必須です。保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや咬み合わせの「後戻り」が生じる可能性があります。特に治療直後は歯が動きやすい状態にあるため、保定装置の装着を怠ると、せっかく整えた歯並びが元に戻ってしまうリスクが高まります。

保定期間の重要性

保定期間は、矯正治療において最も軽視されがちな段階です。しかし、歯並びは永久的なものではなく、加齢とともに徐々に変化していきます。保定装置を用いたメンテナンスは、きれいに並んだ歯をずっときれいに維持するために必要なアンチエイジングの一環と考えるべきです。

保定期間中は、定期的に歯科医院を受診し、歯並びの状態をチェックしてもらうことが重要です。後戻りの兆候が見られた場合、早期に対処することで、大きな問題に発展することを防げます。

保定装置の管理方法

保定装置は取り外し可能なタイプが多いため、紛失や破損のリスクがあります。外食時にティッシュペーパーに包んでテーブルに置き、そのまま誤って捨ててしまうケースや、自宅でケースに入れずに保管していて、ペットに噛まれて破損してしまうケースが少なくありません。

保定装置を取り外した際は、必ず専用のケースで保管する習慣をつけましょう。また、定期的に装置を洗浄し、清潔に保つことも大切です。保定装置が破損したり紛失したりした場合は、すぐに歯科医院に連絡し、作り直しの手配をしてください。

原因3:口呼吸や舌癖などの悪習慣が改善されていない

歯並びが悪くなる根本的な原因の一つが、口腔周囲筋の機能不全です。

口を閉じている際に舌先が歯の裏に当たっている「舌癖」や、食事を飲み込む際に舌が前側に出て行ってしまう「逆嚥下」、そして「口呼吸」などは、口腔周囲筋の機能不全をもたらし、歯並びに悪影響を及ぼします。これらの悪習慣が改善されないまま矯正治療を行っても、装置を外した後に歯並びが再び悪化する可能性が高くなります。

口呼吸が歯並びに与える影響

口で呼吸していると、舌は下顎に沿った状態になります。これは、上顎の成長を阻害し、歯並び悪化の原因となります。また、病原菌が粘膜に直接付着しやすくなるため、風邪などの病気の原因ともなります。口呼吸の習慣がある場合、矯正治療と並行して、鼻呼吸への改善トレーニングを行うことが重要です。

舌癖の矯正方法

舌先は、上の前歯の付け根より少し手前に当たっている状態が正しい位置です。舌癖がある場合、歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)などを使用して、舌の位置を正しい位置に導くトレーニングを行います。マイオブレースは、歯を直接動かすのではなく、習慣の改善から歯並びを悪化させないようにするトレーニングによって行う方法です。

舌癖や口呼吸の改善には、お子さん自身の意識と努力が必要です。保護者の方は、お子さんが正しい舌の位置や鼻呼吸を意識できるよう、日常的に声をかけてサポートすることが大切です。

原因4:精密検査や診断が不十分なまま治療を開始した

矯正治療に入る前に必ず行うべき精密検査と診断が不十分なまま治療を開始することも、失敗の大きな原因です。

精密検査もせずに装置を装着するのは「あり得ない」ことですが、実際には、踏むべきプロセスを踏まずに治療に入ることで、顔だちや歯列のアンバランスを招いたり、上下の歯がきちんと咬み合わないというトラブルにつながるケースが少なくありません。矯正治療は専門性の高い分野であり、患者さん一人一人の上下の歯のバランスや歯並び、咬み合わせの状態を診て適した治療を行う必要があります。

精密検査の重要性

精密検査では、お口やお顔の写真の撮影、レントゲン撮影、お口の内のスキャンなどを行い、現在のお口の状態や身体の状態を詳しく把握します。これらのデータをもとに、歯科医は治療計画を立案し、患者さんに詳しく説明します。精密検査を省略すると、歯が並ぶスペースが不足しているのに無理に並べようとしたり、骨格的な問題を見落としたりする可能性があります。

診断に基づいた治療計画

診断では、患者さんの現在の歯並びやお口の状態について詳しく説明し、治療の流れや費用などについて案内します。治療計画は、患者さんの年齢、歯並びの状態、骨格の特徴、そして患者さん自身の希望を総合的に考慮して立てられます。診断が不十分だと、治療の途中で計画の大幅な変更が必要になったり、期待した結果が得られなかったりすることがあります。

矯正治療を検討する際は、精密検査と診断をしっかり行ってくれる歯科医院を選ぶことが重要です。初回相談時に、検査内容や診断プロセスについて詳しく説明してくれるかどうかを確認しましょう。

原因5:非抜歯矯正への誤解と無理な治療

「歯を抜かないで矯正できる」という安易な非抜歯矯正への期待も、失敗の原因となることがあります。

「床矯正という装置をつけてあごを広げれば、歯を抜かなくても矯正できる」など、医学的根拠を欠いた説明が一部で行われていることが問題視されています。成長期のお子さんの場合、上あごは床矯正の装置をつけることで歯列はある程度広げることはできても、あごそのものは広がりません。また、下あごは骨の構造的に拡大できず、下あごを広げようとしてもあご自体は広がらず、単に下の歯列を扇のように傾斜させてしまうことになります。

非抜歯矯正の適応と限界

非抜歯矯正は、すべてのケースに適用できるわけではありません。歯が並ぶスペースを確保するための方法には、大きく分けて「歯を抜いてスペースを作り出す方法」と「歯を抜かないでスペースを作り出す方法」の2種類があります。非抜歯矯正では、倒れて狭くなった歯槽骨を本来の位置に起こしたり、口の奥の方へ歯を移動させたりすることで、歯が並ぶスペースを確保します。

しかし、骨格的な問題が大きい場合や、歯の大きさと顎の大きさのバランスが極端に悪い場合は、非抜歯での治療が困難なこともあります。無理に非抜歯で治療を進めると、口元が前に出て「ゴリラ顔」のような印象になったり、咬み合わせが不安定になったりするリスクがあります。

適切な治療方法の選択

重要なのは、「非抜歯で行うこと自体が目的」になってしまわないことです。歯が並んでいない原因を突き止め、歯が並ぶスペースを確保することが本来の目的です。精密検査と診断に基づいて、患者さん一人一人に最適な治療方法を選択することが、成功への近道となります。

「100%非抜歯でできます」というような、非抜歯で行うこと自体が目的になってしまっているクリニックには注意が必要です。抜歯が必要なケースでは、その理由を丁寧に説明し、患者さんが納得した上で治療を進めてくれる歯科医を選びましょう。

原因6:矯正歯科専門医ではない歯科医による治療

矯正治療は専門性の高い分野ですが、矯正を専門に学んだことがない一般歯科医でも行えるため、矯正医の知識や技術は千差万別です。

矯正歯科が専門ではない歯科医が経験不足のまま治療するケースや、非常勤歯科医が担当するなど診療態勢が整っていない環境での治療は、失敗のリスクを高めます。矯正治療だけを行う専門家は、患者さん一人一人の上下の歯のバランスや歯並び、咬み合わせの状態を診て適した治療を行いますが、綿密な検査や診断を行うことなく安易に治療してしまうと、後で大きな問題を招くことがあります。

矯正歯科専門医の重要性

矯正歯科専門医は、矯正治療の専門教育を受け、豊富な臨床経験を積んでいます。日本矯正歯科学会の有資格者などは、一定の基準を満たした専門家として認められており、安心して治療を任せることができます。専門医は、複雑な症例にも対応できる知識と技術を持っており、治療中に予期せぬ問題が発生した場合でも、適切に対処できる能力があります。

診療態勢の確認

矯正治療は長期間にわたるため、担当医が一貫して診療してくれるかどうかも重要なポイントです。非常勤の歯科医が担当する場合、診療日が限られていたり、担当医が変わったりすることがあり、治療の継続性に問題が生じる可能性があります。また、矯正治療だけでなく、虫歯治療や歯周病治療にも対応できる総合的な診療態勢が整っているかどうかも確認しましょう。

矯正治療を始める前の初期処置(虫歯や歯周病の治療など)や、矯正中の口内環境維持は、治療の成功に大きく影響します。矯正専門のクリニックでは、こうした内容に対応してくれない場合が多いため、総合的な歯科治療を提供できる医院を選ぶことが望ましいでしょう。

原因7:治療中の虫歯や歯周病の発生

矯正治療中は、装置が歯の表面に付いているため食物が溜まりやすく、また歯が磨きにくくなるため、虫歯や歯周病が生じるリスクが高まります。

適切な口腔ケアを行わないと、治療中に虫歯や歯周病が発生し、矯正治療を一時中断して虫歯治療を優先しなければならないこともあります。虫歯や歯周病が進行すると、歯の移動が困難になったり、治療計画の変更が必要になったりすることもあります。

矯正治療中の口腔ケア

矯正治療中は、通常よりも丁寧な歯磨きが必要です。装置の周りに食べカスや歯垢が溜まりやすいため、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやデンタルフロスも活用して、隅々まで清潔に保ちましょう。また、フッ素入り歯磨き粉を使用することで、虫歯予防効果を高めることができます。

取り外し可能なマウスピース型矯正装置の場合は、装置自体の洗浄も重要です。装置を装着している間は、唾液によるお口の自浄作用が働きにくくなるため、手入れを怠ると装置の内側で細菌が繁殖しやすくなります。毎日の歯磨きと合わせて、マウスピースも清潔に保つという衛生管理への意識が求められます。

定期的な歯科検診

矯正治療中は、定期的に歯科医院を受診し、虫歯や歯周病のチェックを受けることが大切です。早期に問題を発見できれば、治療への影響を最小限に抑えることができます。また、歯科医や歯科衛生士から、効果的な歯磨き方法や口腔ケアのアドバイスを受けることも、虫歯や歯周病の予防に役立ちます。

矯正治療と虫歯治療の両方に対応できる歯科医院を選ぶことで、万が一治療中に虫歯が発生した場合でも、スムーズに対処してもらえます。矯正専門のクリニックでは虫歯治療に対応していないことが多いため、総合的な歯科診療を提供している医院を選ぶことをおすすめします。

後悔しないための歯科医選びのポイント

小児矯正を成功させるためには、適切な歯科医選びが不可欠です。

まず、矯正治療の専門教育を受け、豊富な臨床経験を積んでいる歯科医を選びましょう。日本矯正歯科学会の有資格者や、矯正歯科を専門とする歯科医は、高度な知識と技術を持っており、安心して治療を任せることができます。初回相談時に、歯科医の経歴や専門性について確認することをおすすめします。

精密検査と診断を重視する医院

治療を始める前に、精密検査と診断をしっかり行ってくれる歯科医院を選びましょう。検査内容や診断プロセスについて詳しく説明してくれるかどうかを確認し、納得できるまで質問することが大切です。また、治療計画についても、メリットだけでなくリスクや注意点についても丁寧に説明してくれる歯科医を選びましょう。

総合的な歯科診療を提供している医院

矯正治療だけでなく、虫歯治療や歯周病治療にも対応できる総合的な診療態勢が整っている医院を選ぶことをおすすめします。矯正治療中に虫歯や歯周病が発生した場合でも、同じ医院で対処してもらえるため、治療がスムーズに進みます。また、矯正治療前の初期処置や、矯正中の口内環境維持についても、適切にサポートしてもらえます。

コミュニケーションを重視する医院

矯正治療は長期間にわたるため、歯科医とのコミュニケーションが重要です。患者さんの疑問や不安に丁寧に答えてくれる歯科医、治療の進捗状況を定期的に説明してくれる歯科医を選びましょう。また、お子さんとのコミュニケーションも大切です。お子さんが安心して通院できる雰囲気の医院を選ぶことで、治療への協力度も高まります。

まとめ:小児矯正を成功させるために

小児矯正で「失敗した」と感じる原因は、装着時間不足、保定の怠り、悪習慣の未改善、不十分な検査・診断、非抜歯矯正への誤解、専門医以外による治療、そして治療中の虫歯・歯周病など、多岐にわたります。

これらの失敗を避けるためには、まず適切な歯科医選びが重要です。矯正歯科の専門教育を受けた歯科医、精密検査と診断を重視する医院、総合的な歯科診療を提供している医院を選びましょう。また、治療中は装着時間を守り、保定期間も継続的にケアを行い、口呼吸や舌癖などの悪習慣を改善することが大切です。

小児矯正は、お子さんの将来の健康と美しい笑顔のための重要な投資です。正しい知識を持ち、適切な歯科医と協力しながら治療を進めることで、後悔のない結果を得ることができます。これから小児矯正を検討されている方は、この記事でご紹介したポイントを参考に、お子さんに最適な治療を選択してください。

むらせ歯科千葉みなと院では、日本矯正歯科学会有資格者(非常勤)が在籍し、専門的な矯正治療を提供しています。精密検査と診断に基づいた治療計画の立案、矯正治療と同時に虫歯・歯周病治療にも対応できる総合的な診療態勢、そして患者さんとのコミュニケーションを重視した治療を行っています。小児矯正についてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

インビザライン・ファーストとは?対象年齢・適応症例・メリットと注意点

2026年1月21日

お子さまの歯並びが気になり始めたとき、「矯正治療はまだ早いのでは?」と考える保護者の方は少なくありません。しかし、乳歯と永久歯が混在する時期こそ、実は矯正治療を始める絶好のタイミングなのです。

近年、小児矯正の分野で注目を集めているのが「インビザライン・ファースト」です。透明なマウスピースを使用するこの治療法は、従来のワイヤー矯正とは異なり、見た目の負担を大幅に軽減しながら、効果的に歯並びを整えることができます。

この記事では、インビザライン・ファーストの対象年齢や適応症例、メリットと注意点について詳しく解説します。混合歯列期のお子さまの歯並び治療を検討中の保護者の方は、ぜひ参考にしてください。

インビザライン・ファーストとは?

インビザライン・ファーストは、乳歯から永久歯に生え変わる「混合歯列期」のお子さまを対象とした、透明なマウスピース型の矯正治療です。小児矯正の選択肢として多くの歯科医院で採用されています。

透明で目立たない矯正装置

最大の特徴は、透明なマウスピースを使用することです。従来の金属製ワイヤー矯正と比べて、装着していてもほとんど目立ちません。学校生活や習い事などで人前に出る機会が多いお子さまにとって、見た目を気にせずに矯正治療を受けられることは大きな安心材料となるのです。

顎の成長と歯並びを同時にサポート

インビザライン・ファーストの最大の特徴は、歯列だけでなく顎の成長もコントロールできる点です。従来の小児矯正では、まず「拡大床」という装置で顎の幅を広げてから、ワイヤー矯正で歯並びを整えるという2段階の治療が一般的でした。しかし、インビザライン・ファーストでは、顎の拡大と歯列矯正を同時に進めることができます。

成長期の顎の発達を利用することで、歯を抜かずに理想的な歯並びを実現できる可能性が高まります。また、永久歯が正しく並ぶための十分なスペースを確保できるため、将来的な矯正治療の負担を軽減できるケースも多いのです。

対象年齢と適応条件

インビザライン・ファーストを始められる時期は、単純な年齢だけでなく、歯の生え方によって決まります。

開始できる時期の条件

インビザライン・ファーストは、以下の3つの条件を満たす必要があります。

  • 第一大臼歯(6歳臼歯)が2本以上、3分の2以上萌出していること
  • 前歯(切歯)のうち、少なくとも2本が3分の2以上萌出していること
  • 少なくとも3/4顎に乳歯、または未萌出の永久歯が2本以上あること

これらの条件を満たす時期は、一般的に6歳から10歳頃に該当します。ただし、歯の生え方には個人差があるため、実際の開始時期は歯科医師の診断が不可欠です。

適切なタイミングを逃さないために

混合歯列期は、顎の成長が活発な時期です。この時期を逃すと、顎の成長を利用した治療ができなくなり、将来的に抜歯が必要になる可能性が高まります。歯並びが気になったら、早めに歯科医院へ相談することをおすすめします。

適応症例と治療範囲

インビザライン・ファーストは、さまざまな歯並びの問題に対応できます。

対応できる主な歯並びの問題

  • 軽度から中等度のガタガタ(叢生)
  • 軽度の反対咬合(受け口)
  • すきっ歯(空隙歯列)
  • 過蓋咬合(ディープバイト)
  • 開咬(前歯が噛み合わない状態)

適応外となるケース

骨格的な問題が大きい場合や、重度の歯列不正には適応できないことがあります。例えば、上顎や下顎の骨格自体が大きく前に出ているような症例では、マウスピース矯正だけでは十分な効果が得られません。このような場合は、ワイヤー矯正や外科的な処置を併用する治療が検討されます。

適応の可否を正確に判断するためには、レントゲンや口腔内スキャンを用いた精密検査が必要です。口元のバランスや噛み合わせの状態を総合的に診断したうえで、最適な治療法が決定されます。

インビザライン・ファーストのメリット

インビザライン・ファーストには、従来の矯正治療にはない多くのメリットがあります。

見た目の負担が少ない

透明なマウスピースは、装着していてもほとんど目立ちません。思春期のお子さまにとって、見た目を気にせずに矯正治療を受けられることは、心理的な負担の軽減につながります。学校生活や習い事、写真撮影などでも、自然な笑顔を保つことができるのです。

痛みや違和感が少ない

金属を使用しないため、口内炎や矯正中の痛みが起こりにくく、快適に治療を進められます。また、金属アレルギーのお子さまでも安心して使用できます。マウスピースは滑らかで薄いため、運動中のリスクも少なく、違和感を生じにくいのが特徴です。

食事や歯みがきがしやすい

取り外しが可能なため、食事中に好きなものを食べることができます。ワイヤー矯正では、硬い食べ物や粘着性のある食品を避ける必要がありますが、インビザライン・ファーストではそのような制限がありません。

また、取り外して歯みがきができるため、歯の清掃が簡単で、むし歯のリスクを減らすことができます。成長期のお子さまにとって、健康な口腔環境を保つためにも、取り外しができることは大きなメリットです。

スポーツや日常生活に適している

スポーツや楽器演奏をしているお子さまにとって、矯正装置が邪魔になることは大きなストレスです。ワイヤー矯正では、運動時に口の中を傷つけるリスクがあるため、特に接触の多いスポーツでは注意が必要です。

しかし、インビザライン・ファーストは滑らかで薄いマウスピース型の装置のため、運動中のリスクが少なく、違和感を生じにくいのが特徴です。楽器の演奏においても、マウスピースが口内にフィットするため、吹奏楽器などの演奏に支障が出にくいメリットがあります。

通院回数が少ない

ワイヤー矯正のような細かな調整が不要なため、1~2か月ごとの通院になるケースもあり、忙しい家庭でも通いやすいとされています。通常、1~2週間ごとに新しいマウスピースへと交換し、歯の移動を少しずつ進めます。

治療後のイメージを事前に確認できる

口腔内スキャナーを使用して治療開始前にシミュレーションを行うことが可能です。これにより治療後の歯並びのイメージを事前に確認できるため、治療計画を立てる際の不安を軽減できます。保護者の方もお子さまの歯並びがどのように変化していくのかを視覚的に理解しやすく、治療の進行を安心して見守ることができます。

注意点と自己管理の重要性

多くのメリットがある一方で、インビザライン・ファーストには注意すべき点もあります。

装着時間の管理が必要

1日20時間以上の装着が必要で、装着時間を守らないと効果が十分に得られません。お子さまの自己管理能力と保護者さまの見守りが重要です。装着時間が短いと、予定通りに歯が動かず、治療が長引くことがあります。

インビザライン・ファーストには、臼歯のあたりに小さなインジケーターがついています。このインジケーターがマウスピースの装着時間に応じて色が変わるようになっているため、お子さまが装着時間を把握できるようになっています。

紛失のリスク

取り外し可能なため、紛失のリスクがあります。新しいマウスピースの再作製には追加費用がかかる場合があるので、しっかりとした自己管理が求められます。食事や歯みがきの際に外したマウスピースは、専用のケースに入れて保管する習慣をつけることが大切です。

重度の症例には対応が難しい

軽度から中等度の症例には効果的ですが、重度の噛み合わせの問題や顎のズレには適さない場合があります。骨格的な要因が強い場合は、マウスピース矯正だけでは十分な効果が得られないこともあります。

治療期間と費用の目安

インビザライン・ファーストの治療期間は、歯の移動距離や患者さんの協力度によって変わります。

治療期間の目安

軽度な前歯の傾きや位置のずれであれば、約1年半を目安に歯列矯正を進めることができます。中等度の症例では、犬歯や奥歯も含めて歯列全体を動かす場合、治療期間は1年半から2年半程度になる傾向があります。

治療期間を短縮させるためには、患者さんが決められた時間(1日20時間以上)マウスピースを装着することが重要です。装着時間が短いと、計画通りに歯が動かず、期間が延びる原因になります。

費用について

当院では、予防矯正(永久歯が生えそろう前のお子様対象)の料金は440,000円となっています。また、再診料として月々3,300円がかかります。装置紛失・破損時には、1個ごとに別途9,000円(税込)が必要となります。

治療費は医院によって異なるため、詳細は各歯科医院にお問い合わせください。また、矯正治療は基本的に自費診療となりますが、医療費控除の対象となる場合があります。

当院の小児矯正治療について

当院では、日本矯正歯科学会有資格者(非常勤)が在籍し、専門的な矯正治療を行っています。お子さまの矯正治療は、一般的に前半の「Ⅰ期治療」と後半の「Ⅱ期治療」の2段階で行いますが、歯並びの状態によっては、Ⅰ期治療のみで完了する場合もあります。

Ⅰ期治療の特徴

Ⅰ期治療で行うことは、主に口腔周囲筋のトレーニングです。歯並びが悪くなってしまう原因は、お口周りの癖による口腔周囲筋の機能不全によるものが大きいです。口を閉じている際に舌先が歯の裏に当たっている「舌癖」や、食事を飲み込む際に舌が前側に出て行ってしまう「逆嚥下」、「口呼吸」なども口腔周囲筋の機能不全をもたらします。

このような、歯並びに対して悪影響を及ぼすものを歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)という方法で改善していきます。歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)矯正は、歯を直接動かすのではなく、習慣の改善から歯並びを悪化させないようにするトレーニングなどによって行います。

Ⅱ期治療について

Ⅰ期治療が完了しても、歯並びが悪かったり、歯が回転してねじれた状態で生えてきたり、上下の歯がうまく噛み合わなかったりといったトラブルは起こりえます。こうした場合に、Ⅱ期治療を実施します。Ⅱ期治療が必要かどうかは歯科医でないと判断しにくい部分もあると思いますので、ぜひ当院までご相談ください。

治療中の虫歯・歯周病予防

当院は、矯正治療だけではなく、虫歯治療や歯周病治療などにも対応しています。矯正治療は、矯正を始める前の初期処置(虫歯や歯周病の治療など)や、矯正中の口内環境維持が重要なのですが、矯正専門のクリニックでは、こうした内容に対応してくれない場合が多く見受けられます。

また、歯に固定するタイプの矯正器具は汚れが付きやすいため、虫歯や歯周病のリスクも高まります。矯正を行う歯科医院を選ぶ際は、こうした治療行為も行えるかどうかが非常に重要なポイントです。

まとめ

インビザライン・ファーストは、混合歯列期のお子さまに適した、透明で目立ちにくいマウスピース矯正です。顎の成長を利用しながら歯並びを整えることができるため、将来的な抜歯リスクを減らせる可能性があります。

見た目の負担が少なく、食事や歯みがきがしやすいなど、お子さまの日常生活に配慮した治療法ですが、1日20時間以上の装着が必要であり、お子さまの自己管理能力と保護者さまのサポートが重要です。

適応できる症例には限りがあるため、まずは歯科医師による精密検査と診断を受けることが大切です。お子さまの歯並びが気になったら、早めに歯科医院へ相談し、適切な治療時期を逃さないようにしましょう。

当院では、日本矯正歯科学会有資格者が在籍し、お子さま一人ひとりの症例や生活スタイルに合わせた治療プランをご提案しています。矯正相談は当院に通院されている患者様については無料で行っていますので、お気軽にご相談ください。

 

小児矯正は医療費控除の対象?申請条件・必要書類・戻る金額を徹底解説

2026年1月20日

小児矯正と医療費控除の基本

お子さんの歯並びが気になり、小児矯正を検討されている親御さんは多いでしょう。

矯正治療は決して安い費用ではありませんが、実は「医療費控除」という制度を活用することで、経済的な負担を軽減できる可能性があります。小児矯正にかかった費用の一部が、確定申告を通じて戻ってくる仕組みです。

医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得税や住民税が軽減される制度のことを指します。具体的には、年間の医療費が10万円または所得の5%を超えた場合に適用されます。小児矯正は多くの場合、この医療費控除の対象となるため、治療を始める前にしっかりと理解しておくことが大切です。

ただし、すべての矯正治療が対象になるわけではありません。治療の目的や内容によって、控除の対象となるかどうかが変わってきます。この記事では、小児矯正が医療費控除の対象となる条件や、実際に戻ってくる金額の目安、申請に必要な書類や手続きの流れまで、詳しく解説していきます。

小児矯正が医療費控除の対象になりやすい理由

小児矯正は、成人の矯正治療と比べて医療費控除の対象になりやすい傾向があります。

その理由は、国税庁が定める医療費控除の要件にあります。国税庁のホームページには、「発育段階にある子供の成長を阻害しないようにするために行う不正咬合の歯列矯正」は医療費控除の対象になると明記されています。つまり、子どもの成長や発育に影響を与える歯並びの問題を改善するための治療であれば、医療費控除が認められるということです。

小児期の矯正治療は、単に見た目を整えるだけではありません。噛み合わせの改善や顎の正常な発育を促すことが主な目的となります。例えば、上下の噛み合わせが明らかにずれている場合、放置すると顎に過度な負担がかかり、将来的に顎関節症などのトラブルにつながる可能性があります。また、歯並びの問題によって発音が不明瞭になったり、しっかりと噛むことができなかったりする場合も、子どもの成長に悪影響を及ぼすため、早期治療が推奨されます。

このように、小児矯正は「医療目的」で行われることがほとんどであるため、医療費控除の対象となるケースが多いのです。一方で、成人の矯正治療は「審美目的」と見なされることが多く、医療費控除の対象外となる場合があります。ただし、成人であっても噛み合わせの機能的な問題を改善するための矯正であれば、控除の対象となる可能性があります。

医療費控除の対象となる具体的な症例

小児矯正において医療費控除が認められる具体的な症例としては、以下のようなケースが挙げられます。

  • 不正咬合によって噛むことが難しい状態
  • 歯並びの影響で発音や滑舌が著しく悪い場合
  • 顎の歪みや噛み合わせの問題により、顎関節症などのリスクが高い状態
  • 歯並びが子どもの成長や発育を阻害している場合
  • 厚生労働省が定める特定の疾患に起因する咬合異常

これらの症例は、生活上の支障が懸念され、歯科医師が治療の必要性を認めた場合に医療費控除の対象となります。一般的に、中学生までの矯正治療は「発育段階にある子供の成長を阻害しないため」という理由で医療費控除が認められやすい傾向にあります。

審美目的の矯正は対象外

注意が必要なのは、審美目的の矯正治療は医療費控除の対象外となる点です。

「見た目を美しくしたい」「口元の印象をよくしたい」といった理由だけで行う矯正治療は、たとえ高額な費用がかかったとしても控除の対象にはなりません。特に中学生以降、永久歯が完全に生えそろってから行う歯列矯正は審美歯科と見なされるケースが多く、医療費控除が認められない可能性があります。

ただし、中学生以降の矯正治療でも、顎の歪みや噛み合わせの矯正などやむを得ない医療的な理由がある場合は、医療費控除の対象となります。判断に迷う場合は、治療前に歯科医師や自治体の窓口、税務署に相談することをおすすめします。

医療費控除の対象となる費用と対象外の費用

小児矯正において、どのような費用が医療費控除の対象となるのでしょうか。

対象となる費用と対象外の費用を正確に把握しておくことで、確定申告の際にスムーズに手続きを進めることができます。

医療費控除の対象となる費用

小児矯正において、以下の費用が医療費控除の対象となります。

  • 診察費やレントゲンなどの検査費用
  • 矯正装置料(マウスピース型矯正装置やワイヤー矯正装置など)
  • 処置・調整料
  • 治療に必要な医薬品の費用(鎮痛薬や口内炎パッチなど)
  • 通院のための交通費(電車やバスなどの公共交通機関の運賃)
  • 子どもの通院に付き添う親の交通費
  • 歯科ローンで支払った治療費(金利手数料は対象外)

特に注目すべきは、通院のための交通費も控除の対象となる点です。公共交通機関を利用した場合の運賃は、領収書がなくても記録を残しておけば申告できます。ただし、自家用車での通院にかかるガソリン代や駐車場代は対象外となります。また、通院が困難な場合のタクシー代は、特別な事情があれば認められることがありますが、原則として対象外です。

医療費控除の対象とならない費用

一方で、以下のような費用は医療費控除の対象外となります。

  • 見た目の改善のみを目的とした矯正費用
  • 通院時の飲食代
  • 自家用車での通院にかかるガソリン代や駐車場代
  • タクシー代(特別な事情がない場合)
  • 予防目的の歯石除去やクリーニング
  • ビタミン剤やサプリメントなどの健康増進目的の医薬品
  • デンタルローンの金利手数料
  • 診断書の発行費用

これらの費用は、治療に直接関係しないものや、予防・美容目的のものであるため、医療費控除の対象外となります。申告の際には、対象となる費用と対象外の費用を明確に区別しておくことが重要です。

医療費控除額の計算方法と実際に戻る金額

医療費控除を利用すると、実際にいくら戻ってくるのでしょうか。

まず、医療費控除額の計算方法を理解することが大切です。医療費控除額は、1年間に支払った医療費の合計から、保険金などで補填された金額と一定額を差し引いて算出します。

医療費控除額の計算式

総所得金額が200万円以上の場合と200万円未満の場合で、計算方法が異なります。

総所得金額が200万円以上の場合:

医療費控除額 = 実際に支払った医療費の合計 − 保険金などで補填される金額 − 10万円

総所得金額が200万円未満の場合:

医療費控除額 = 実際に支払った医療費の合計 − 保険金などで補填される金額 − (総所得金額 × 5%)

ここで注意すべきは、「保険金などで補填される金額」には、生命保険や損害保険の医療保険金、入院費給付金、健康保険から支給される高額療養費、出産育児一時金などが含まれる点です。小児矯正の場合、保険適用外の治療が多いため、この金額はゼロになることが一般的です。

還付金の計算方法

医療費控除額が算出できたら、次に還付される所得税の目安を計算します。

還付される所得税の目安 = 医療費控除額 × 所得税率

所得税率は、課税される所得金額によって異なります。例えば、課税所得が195万円以下の場合は5%、195万円超〜330万円以下の場合は10%、330万円超〜695万円以下の場合は20%となります。

具体的な計算例

実際の計算例を見てみましょう。

例1:総所得400万円、年間医療費80万円の場合

夫の所得が300万円、妻の所得が100万円で、世帯の総所得が400万円の家庭を想定します。小児矯正を含む年間医療費が80万円かかり、そのうち民間保険や健康保険で20万円が補填された場合:

医療費控除額 = 80万円 − 20万円 − 10万円 = 50万円

課税所得が400万円の場合、所得税率は20%となるため:

還付される所得税 = 50万円 × 20% = 10万円

さらに、住民税も軽減されます。住民税の税率は一律10%であるため:

住民税の軽減額 = 50万円 × 10% = 5万円

合計で約15万円の税負担が軽減されることになります。

例2:総所得180万円、年間医療費20万円の場合

総所得が180万円で、年間医療費が20万円、そのうち健康保険で5万円が補填された場合:

総所得180万円 × 5% = 9万円

医療費控除額 = 20万円 − 5万円 − 9万円 = 6万円

課税所得が180万円の場合、所得税率は5%となるため:

還付される所得税 = 6万円 × 5% = 3,000円

住民税の軽減額 = 6万円 × 10% = 6,000円

合計で約9,000円の税負担が軽減されます。

このように、所得や医療費の額によって還付金は大きく変わります。家族全員の医療費を合算して申告できるため、最も所得の高い家族が申告することで、還付額を最大化できます。

医療費控除の申請に必要な書類と準備

医療費控除を受けるためには、確定申告が必要です。

申請に必要な書類を事前に準備しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。

必要な書類一覧

医療費控除の申請には、以下の書類が必要となります。

  • 確定申告書
  • 医療費控除の明細書
  • 源泉徴収票(給与所得者の場合)
  • 医療費の領収書(自宅で5年間保管が必要)
  • 医療費通知(健康保険組合から届く「医療費のお知らせ」など)
  • 診断書(税務署から求められた場合のみ)

令和5年分以降の確定申告では、領収書の提出は不要となりましたが、自宅で5年間保管することが義務付けられています。税務署から提示を求められた場合に備えて、しっかりと保管しておきましょう。

医療費控除の明細書の作成

医療費控除の明細書は、1年間に支払った医療費をまとめた書類です。

国税庁のウェブサイトからダウンロードできるほか、確定申告書等作成コーナーで入力することもできます。明細書には、医療を受けた人の氏名、病院・薬局の名称、医療費の区分、支払った医療費の額、保険金などで補填される金額などを記載します。

小児矯正の場合、自費診療であるため医療費通知には記載されないことが多いです。そのため、領収書をもとに自分で明細を作成する必要があります。通院のための交通費も忘れずに記録しておきましょう。

診断書の必要性

通常、小児矯正の医療費控除では診断書の提出は不要です。

ただし、税務署から治療の必要性を証明する書類の提出を求められることがあります。その際は、歯科医院に依頼して診断書を発行してもらいましょう。診断書には、治療の目的や必要性、具体的な症状などが記載されます。なお、診断書の発行費用は医療費控除の対象外となります。

確定申告の手続きと提出方法

医療費控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。

確定申告の期間や提出方法、注意点について詳しく見ていきましょう。

確定申告の期間

確定申告の申告期間は、原則として申告対象期間の翌年2月16日から3月15日までです。2026年の確定申告では、3月15日が日曜日のため、申告期間は2月16日から3月16日までとなります。

ただし、医療費控除は税金が戻ってくる還付申告にあたるため、申告対象期間の翌年1月1日から受付が開始されます。また、5年以内であれば申告が可能です。つまり、申告を忘れていた場合でも、5年前までさかのぼって申請することができます。

確定申告の提出方法

確定申告書の提出方法には、以下の3つがあります。

  • e-Tax(電子申告)
  • 税務署への持参
  • 税務署への郵送

e-Taxを利用すると、自宅からインターネット経由で申告できるため、税務署に出向く必要がありません。マイナンバーカードとICカードリーダーがあれば、スマートフォンやパソコンから簡単に申告できます。また、マイナポータル連携を利用すると、医療費通知などのデータを自動で取り込むことができ、入力の手間が省けます。

確定申告書の作成方法

確定申告書は、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用すると便利です。画面の案内に従って必要事項を入力していくだけで、自動的に計算され、申告書が作成されます。医療費控除の明細も、このシステム上で入力することができます。

給与所得者の場合は、源泉徴収票の内容を入力し、医療費控除の明細を追加するだけで完了します。自営業者の場合は、事業所得などの申告と合わせて医療費控除を申請します。

還付金の受け取り

確定申告を提出すると、還付金がある場合は指定の銀行口座に振り込まれます。

還付金の振込時期は、申告の時期や税務署の処理状況によって異なりますが、一般的には申告から1〜2ヶ月程度で振り込まれます。e-Taxで申告した場合は、書面で申告した場合よりも早く処理される傾向にあります。

医療費控除を申請する際の注意点

医療費控除を申請する際には、いくつかの注意点があります。

家族分の医療費を合算できる

医療費控除は、本人だけでなく「生計を一にする親族」の医療費も合算して申請できます。

「生計を一にする親族」とは、生活費などを共有している親族のことを指します。必ずしも同居している必要はなく、仕送りをしている場合や、子どもや親の医療費を負担している場合も対象となります。共働きの夫婦など、扶養ではない場合でも「生計を一にする親族」であれば控除の対象です。

家族全員の医療費を合算することで、控除額を増やすことができます。また、所得の多い方が申告すると、所得税率が高くなるため、還付額も大きくなります。

支払った日が基準となる

医療費控除では、「費用を支払った日」が基準となります。

契約日や治療開始日ではなく、実際に費用を支払った年の確定申告で申請を行う必要があります。例えば、2024年12月に小児矯正の契約を行い、実際の支払いが2025年1月に行われた場合、その費用は2025年分の医療費控除として、2026年2月〜3月にかけて行う確定申告で申請することになります。

治療費を複数年にわたって分割で支払う場合には、各年に支払った金額だけがその年の控除対象になります。一括払いではない場合、1年分ごとに支払記録を管理しておくことが重要です。

デンタルローンの取り扱い

デンタルローンを利用して矯正費用を支払った場合、ローンを組んだ年の医療費として申告できます。

ただし、ローンの金利手数料は医療費控除の対象外となります。また、ローン契約書や領収書を保管しておく必要があります。分割払いの場合は、実際に支払った年ごとに申告することになるため、デンタルローンを利用することで、一度に大きな控除を受けることができます。

領収書の保管が重要

令和5年分以降の確定申告では、領収書の提出は不要となりましたが、自宅で5年間保管することが義務付けられています。

税務署から提示を求められた場合に備えて、すべての領収書をしっかりと保管しておきましょう。領収書がない場合、医療費控除が認められない可能性があります。通院のための交通費についても、日付と金額を記録しておくことが大切です。

むらせ歯科千葉みなと院の小児矯正と医療費控除

むらせ歯科千葉みなと院では、小児矯正を専門的に提供しています。

日本矯正歯科学会有資格者が在籍しており、専門的な知識と豊富な臨床経験に基づいた治療を受けることができます。当院の小児矯正は、お子さんの成長や発育を考慮した治療計画を立案し、なるべく身体的・経済的負担の少ない治療を目指しています。

小児矯正の治療内容

当院では、一般的に「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階で小児矯正を行います。

Ⅰ期治療では、主に口腔周囲筋のトレーニングを行い、歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)を使用して口呼吸や舌癖などの悪習慣を改善します。歯並びが悪くなる原因の多くは、お口周りの癖による口腔周囲筋の機能不全です。これらの習慣を改善することで、歯並びの悪化を防ぎ、正常な成長を促します。

Ⅰ期治療が完了しても歯並びが悪い場合や、歯が回転してねじれた状態で生えてきた場合には、Ⅱ期治療を実施します。Ⅱ期治療では、すべての歯に矯正装置を装着し、理想的な歯並びと噛み合わせを目指します。ただし、歯並びの状態によっては、Ⅰ期治療のみで完了する場合もあります。

治療費用と医療費控除

当院の小児矯正の料金は、予防矯正が440,000円(税込)、本格矯正(唇側マルチブラケット矯正)が770,000円〜880,000円(税込)、マウスピース矯正が880,000円〜1,100,000円(税込)となっています。

これらの費用は、医療費控除の対象となる可能性があります。治療が医療目的で行われ、お子さんの成長や発育に必要であると歯科医師が判断した場合、確定申告を通じて税負担を軽減することができます。治療費の領収書は大切に保管し、確定申告の際に活用しましょう。

虫歯・歯周病治療にも対応

当院は、矯正治療だけでなく、虫歯治療や歯周病治療にも対応しています。

矯正治療を始める前の初期処置や、矯正中の口内環境維持をサポートすることで、安心して治療を受けることができます。矯正専門のクリニックでは対応していないことが多いこれらの治療も、当院では一貫して行うことができます。

まとめ

小児矯正は、多くの場合、医療費控除の対象となります。

お子さんの成長や発育を阻害しないために行う矯正治療であれば、確定申告を通じて税負担を軽減することが可能です。医療費控除を受けるためには、1年間に支払った医療費が10万円または所得の5%を超えていることが条件となります。還付される金額は、所得や医療費の額によって異なりますが、家族全員の医療費を合算することで控除額を増やすことができます。

申請には、確定申告書や医療費控除の明細書、領収書などの書類が必要です。領収書は自宅で5年間保管することが義務付けられているため、しっかりと管理しておきましょう。確定申告は、申告対象期間の翌年2月16日から3月15日までが原則ですが、還付申告は翌年1月1日から受付が開始され、5年以内であれば申告が可能です。

医療費控除を賢く活用することで、小児矯正の経済的な負担を軽減し、お子さんの健やかな成長をサポートしましょう。治療を検討されている方は、ぜひ医療費控除の制度を理解し、確定申告の準備を進めてください。

むらせ歯科千葉みなと院では、専門的な小児矯正治療を提供しています。お子さんの歯並びや噛み合わせでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。日本矯正歯科学会有資格者が、お子さん一人ひとりに合わせた最適な治療計画をご提案いたします。

 

【2026年版】小児矯正の費用相場と総額の内訳|追加費用で損しないチェックリスト

2026年1月19日

 

お子様の歯並びが気になり始めたとき、多くの親御さんが最初に直面するのが「費用」の問題です。

小児矯正は保険適用外のケースがほとんどで、治療費は決して安くありません。しかし、適切な時期に始めることで、将来的な治療費を抑えられる可能性があります。

この記事では、2026年最新の小児矯正費用相場を詳しく解説します。初期費用から追加費用まで、総額の内訳を明確にし、治療途中の予想外の出費を防ぐためのチェックリストもご紹介します。

さらに、医療費控除の活用法や支払い方法についても詳しく触れていきますので、お子様にとって最適な治療プランを見つけるための参考にしてください。

小児矯正の費用相場|治療時期別の内訳

小児矯正の費用は、治療を開始する時期によって大きく異なります。

一般的に、子供の矯正治療は「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階で行われることが多く、それぞれの治療内容と費用相場を理解しておくことが重要です。

Ⅰ期治療の費用相場と内容

Ⅰ期治療は、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」に行う矯正治療です。

具体的には、6歳から12歳くらいまでが対象となります。この時期の治療は、顎の骨の成長をコントロールし、永久歯がきれいに生えるためのスペースを確保することを主な目的としています。

費用相場は20万円から50万円程度です。使用する装置の種類や治療期間、クリニックの所在地などによって変動します。

Ⅰ期治療では、主に「口腔周囲筋のトレーニング」を行います。歯並びが悪くなる原因の多くは、口呼吸や舌癖などの悪習慣による口腔周囲筋の機能不全です。

歯列矯正用咬合誘導装置「マイオブレース」などを使用して、これらの悪習慣を改善していきます。装置は取り外し可能なマウスピースタイプが多く、お子様の協力が不可欠です。

Ⅱ期治療の費用相場と内容

Ⅱ期治療は、永久歯が生え揃った後に行う矯正治療で、主に歯の位置を細かく調整して理想的な歯並びと噛み合わせを目指します。

一般的には12歳以降に行われることが多く、費用相場は50万円から100万円程度と幅があります。

Ⅱ期治療では、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの本格的な矯正装置を使用します。歯の表面にブラケットという装置を取り付けてワイヤーを通し、歯を動かしていく方法が一般的です。

治療期間は1年から3年程度かかることが多いですが、歯の動き方や治療への協力度合いによって個人差があります。定期的な通院が必要となり、その都度調整料がかかることも考慮しておきましょう。

Ⅰ期治療とⅡ期治療を併用する場合

Ⅰ期治療とⅡ期治療を併用する場合、総額は30万円から150万円程度となります。

ただし、Ⅰ期治療である程度歯並びが整っていれば、Ⅱ期治療の費用や期間が短縮される場合があります。早期にⅠ期治療を開始することで、将来的なⅡ期治療の負担を軽減できる可能性があるのです。

歯並びの状態によっては、Ⅰ期治療のみで完了する場合もあります。なるべく患者さんに負担の少ないⅠ期治療だけで矯正が終了するように、治療計画を立案するクリニックも増えています。

出典C&C美原デンタルクリニック「小児矯正にかかる費用はいくら?相場や費用を抑える方法も解説」(2026年)より作成

小児矯正の費用内訳|何にいくらかかるのか

小児矯正の総額を把握するためには、費用の内訳を理解することが大切です。

治療費は、初期相談から保定期間まで、さまざまな項目で構成されています。それぞれの費用項目を詳しく見ていきましょう。

初期相談・カウンセリング費用

矯正治療を検討する最初のステップが、初期相談やカウンセリングです。

この段階では、お子様の歯並びの状態を把握し、治療の必要性や最適な開始時期などを判断します。費用は無料から5,000円程度が一般的です。

初めて相談しに行く際に費用がかかるのはハードルが高いと感じる方もいるでしょう。無料で相談できる歯科医院も多いので、まずは気軽に足を運んでみることをおすすめします。

精密検査・診断料

治療を進めることが決まったら、精密検査を行います。

レントゲン撮影、お口の写真撮影、お口の内のスキャンなど、現在のお口の状態を詳しく把握するための検査です。費用相場は3万円から5.5万円程度となります。

検査結果をもとに、歯科医師が治療計画を立案し、診断結果について詳しく説明します。この診断では、患者様の現在の歯並びやお口の状態について詳しく説明し、治療の流れや費用などについてご案内します。

矯正装置費用

矯正装置の費用は、治療費の中で最も大きな割合を占めます。

使用する装置の種類によって費用が大きく異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが重要です。

予防矯正(Ⅰ期治療)では、主にマウスピース型の装置を使用します。費用は20万円から44万円程度です。取り外し可能なため、食事や歯磨きは通常通り行えますが、装着時間を守ることが治療成功の鍵となります。

本格矯正(Ⅱ期治療)では、唇側マルチブラケット矯正が77万円から88万円程度、マウスピース矯正が88万円から110万円程度となります。

マウスピース矯正は透明で目立ちにくく、取り外しが可能なため、お口の中の違和感が少ないという利点があります。ただし、装着時間が守られていない場合、適切に治療効果が発揮できないことがあります。

調整料・再診料

矯正治療中は、定期的な通院が必要です。

装置の調整や治療の進捗確認のため、月に1〜2回程度の通院が一般的です。調整料は1回あたり3,300円から6,600円程度かかります。

予防矯正の場合は月額3,300円、本格矯正の場合は月額5,500円が目安です。土日祝日に通院する場合は、平日よりも若干高くなることもあります。

治療期間が長引けば、その分調整料の総額も増えていくため、トータルコストを計算する際には忘れずに含めておきましょう。

保定装置費用と保定期間の費用

矯正治療が完了した後も、歯並びを維持するための「保定期間」が必要です。

きれいに並んだ歯並びを維持するための保定装置「リテーナー」を使用します。保定期間中の再診料は月額3,300円程度が一般的です。

リテーナーを紛失したり破損したりした場合は、作り替えに6,600円程度の費用がかかります。保定装置は取り外し可能なタイプが多いため、管理には十分注意が必要です。

歯は加齢変化で徐々にでこぼこが出てくるものです。アンチエイジングの意味でも、きれいに並んだ歯をずっときれいに維持するためには保定装置を用いたメンテナンスが必要になります。

追加費用で損しないためのチェックリスト

矯正治療では、予想外の追加費用が発生することがあります。

事前に確認しておくべきポイントを押さえておけば、後から慌てることもありません。ここでは、追加費用で損しないためのチェックリストをご紹介します。

装置の紛失・破損時の費用

取り外し可能な矯正装置を使用する場合、紛失や破損のリスクがあります。

予防矯正で使用する装置を紛失・破損した場合、1個ごとに9,000円程度の再製作費用がかかります。マウスピース矯正の場合も、装置の紛失や破損時には別途費用が発生します。

お子様が装置を管理できるよう、専用のケースを用意し、外した際は必ずケースに入れる習慣をつけることが大切です。学校での給食時など、外出先で外す際は特に注意が必要です。

治療期間延長による追加費用

矯正治療の期間は、お子様の協力度合いや歯の動き方によって個人差があります。

予定よりも治療期間が延びた場合、その分の調整料が追加でかかります。月額3,300円から6,600円の調整料が、延長した月数分加算されることになります。

治療期間を短縮するためには、装置の装着時間を守ることや、定期的な通院を欠かさないことが重要です。お子様が治療に前向きに取り組めるよう、親御さんのサポートが欠かせません。

Ⅱ期治療への移行費用

Ⅰ期治療が完了しても、歯並びが完全に整わない場合があります。

その場合、Ⅱ期治療への移行が必要となります。Ⅰ期治療から移行した場合でも、33万円程度の追加費用がかかることが一般的です。

ただし、Ⅰ期治療である程度歯並びが整っていれば、Ⅱ期治療の期間や費用が短縮される可能性があります。早期にⅠ期治療を開始することで、将来的な負担を軽減できるケースも多いのです。

虫歯・歯周病治療費用

矯正治療中は、装置が歯の表面に付いているため、食べ物が溜まりやすく歯が磨きにくくなります。

そのため、虫歯や歯周病が生じるリスクが高まります。矯正治療とは別に、虫歯や歯周病の治療費用が発生する可能性があることを理解しておきましょう。

矯正専門のクリニックでは、虫歯や歯周病の治療に対応していない場合もあります。矯正治療と一般歯科治療の両方に対応しているクリニックを選ぶことで、追加の通院や費用を抑えられる可能性があります。

顎関節症治療費用

歯並びが悪いことで噛み合わせが悪くなっている場合、顎の関節にもトラブルがあることがあります。

矯正治療に入る前に、スプリント療法を行うことで、顎関節症などのトラブルも同時に改善していくことができます。別途11万円程度の費用がかかりますが、顎関節症起因の頭痛や肩こり、顎の痛みなどの改善が見込めます。

顎関節に配慮した治療を行っているかどうかも、クリニック選びの重要なポイントです。

医療費控除の活用法|小児矯正で税金を取り戻す

小児矯正は高額な費用がかかりますが、医療費控除を活用することで、所得税の還付を受けられる可能性があります。

医療費控除とは、1年間に支払った医療費の合計が一定金額を超えた場合、所得税が還付される制度です。矯正治療費や通院交通費も対象になるため、しっかりと活用しましょう。

医療費控除の対象となる費用

矯正治療費だけでなく、通院費用も医療費控除の対象となります。

対象費用の例は以下の通りです。

  • 矯正治療の診察料・装置代・調整費
  • レントゲン撮影費
  • 矯正のために通院する交通費(電車・バスなど)

個人の他の医療費に加え、家族の医療費も合算可能です。「生計を一にする」家族の領収書も保管しておきましょう。

ただし、自家用車のガソリン代や駐車場代は対象外となります。公共交通機関を利用した場合の交通費を記録しておくことが大切です。

医療費控除額の計算方法

医療費控除額は、以下の計算式で算出されます。

総医療費 - 保険金等で補填された額 - 10万円(総所得200万円以上の場合)

総所得200万円未満の場合は、総医療費 - 保険金等 - 総所得×5%となります。

算出された「医療費控除額」に、自分の所得に応じた所得税率をかけると還付金の目安がわかります。例えば、所得税率が20%の方で医療費控除額が50万円の場合、還付金は10万円程度となります。

e-Taxでの申請方法

医療費控除の申請は、e-Tax(オンライン)で簡単に行えます。

申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 源泉徴収票
  • 医療費の領収書
  • 医療費控除の明細書(国税庁サイトで作成可能)
  • マイナンバーカード(カード方式で申告する場合)

e-Taxで申告する場合、領収書の提出は不要ですが、税務署から求められたときに提示できるよう、手元に整理して保管しておきましょう。

通常の確定申告期間は、毎年2月16日から3月15日までです。ただし、「医療費控除の還付だけ」を受けたい場合、1月1日からでも申告できます。さらに、医療費控除は医療費を支払った翌年から5年間申告可能です。

出典日本臨床矯正歯科医会「【2026年度版】高額な矯正治療費を確定申告(医療費控除)e-Taxを活用」(2026年)より作成

分割払いの場合の医療費控除

矯正治療費の一部を分割払いにした場合でも、医療費控除を申請できます。

支払った年度ごとに医療費控除を申請できるため、分割払いでも実際に支払った金額が対象になります。デンタルローンを利用した場合も同様です。

領収書は必ず保管しておき、支払った年度ごとに整理しておくことが大切です。

小児矯正の費用を抑える方法

小児矯正は高額な治療ですが、工夫次第で費用を抑えることができます。

ここでは、費用負担を軽減するための具体的な方法をご紹介します。

トータルフィー制のクリニックを選ぶ

矯正治療の支払い方法には、「トータルフィー制」と「処置別支払い制」があります。

トータルフィー制は、治療開始前に総額が決まっており、治療期間が延びても追加費用が発生しない仕組みです。予算管理がしやすく、安心して治療を受けられます。

一方、処置別支払い制は、治療の進行に応じて都度支払う方法です。初期費用は抑えられますが、治療期間が延びると総額が増える可能性があります。

長期的な視点で考えると、トータルフィー制の方が費用を抑えられるケースが多いでしょう。

デンタルローンを活用する

矯正治療費を一括で支払うのが難しい場合、デンタルローンを活用する方法があります。

デンタルローンは、歯科治療専用のローンで、金利が比較的低く設定されています。月々の支払額を抑えながら、必要な治療を受けることができます。

ただし、ローンを組む際は、総支払額や金利をしっかりと確認し、無理のない返済計画を立てることが大切です。

早期治療でⅡ期治療を回避する

Ⅰ期治療を早期に開始することで、Ⅱ期治療が不要になる可能性があります。

顎の成長をコントロールし、永久歯がきれいに生えるためのスペースを確保することで、将来的な本格矯正の必要性を減らせるのです。

歯並びが気になり始めたら、早めに歯科医師に相談することをおすすめします。適切な時期に治療を開始することが、長期的な費用削減につながります。

矯正治療と一般歯科治療を同じクリニックで受ける

矯正治療中は、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

矯正専門のクリニックでは、虫歯や歯周病の治療に対応していない場合があり、別のクリニックに通う必要が出てきます。その分、時間も費用もかかってしまいます。

矯正治療と一般歯科治療の両方に対応しているクリニックを選ぶことで、追加の通院や費用を抑えられる可能性があります。治療前の初期処置や矯正中の口内環境維持もスムーズに行えます。

小児矯正のクリニック選びのポイント

小児矯正を成功させるためには、クリニック選びが非常に重要です。

費用だけでなく、治療の質や通いやすさなど、総合的に判断することが大切です。ここでは、クリニック選びのポイントをご紹介します。

専門資格を持つ歯科医師がいるか

矯正治療は専門性の高い分野です。

日本矯正歯科学会の有資格者など、矯正治療の専門教育を受け、豊富な臨床経験を積んでいる歯科医師が在籍しているかを確認しましょう。

専門資格を持つ歯科医師による治療は、安心感が違います。お子様の歯並びの状態を正確に診断し、最適な治療計画を立案してくれるでしょう。

治療内容と費用の説明が明確か

初回相談時に、治療内容と費用について詳しく説明してくれるクリニックを選びましょう。

治療の流れ、使用する装置、予想される治療期間、総額費用、追加費用の可能性など、具体的に説明してくれるかどうかが重要です。

不明点や不安なことがあれば、遠慮せずに質問しましょう。納得できるまで説明してくれるクリニックなら、安心して治療を任せられます。

通いやすい立地と診療時間か

矯正治療は、月に1〜2回程度の定期的な通院が必要です。

自宅や学校から通いやすい立地にあるか、診療時間が生活スタイルに合っているかを確認しましょう。土日祝日も診療しているクリニックなら、学校を休まずに通院できます。

通院の負担が大きいと、治療を続けるのが難しくなる可能性があります。長期的に通える環境を整えることが大切です。

矯正治療以外の歯科治療にも対応しているか

矯正治療中は、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

矯正治療だけでなく、虫歯治療や歯周病治療にも対応しているクリニックを選ぶことで、追加の通院や費用を抑えられます。

矯正治療前の初期処置や矯正中の口内環境維持もスムーズに行えるため、トータルでの治療効果が高まります。

まとめ|小児矯正の費用を理解して最適な選択を

小児矯正の費用は、治療時期や使用する装置によって大きく異なります。

Ⅰ期治療は20万円から50万円程度、Ⅱ期治療は50万円から100万円程度が相場です。総額を把握するためには、初期相談から保定期間までの費用内訳を理解しておくことが重要です。

追加費用で損しないためには、装置の紛失・破損時の費用、治療期間延長による追加費用、Ⅱ期治療への移行費用などを事前に確認しておきましょう。

医療費控除を活用することで、所得税の還付を受けられる可能性があります。矯正治療費や通院交通費も対象になるため、領収書は必ず保管しておきましょう。

費用を抑える方法としては、トータルフィー制のクリニックを選ぶ、デンタルローンを活用する、早期治療でⅡ期治療を回避するなどがあります。

クリニック選びでは、専門資格を持つ歯科医師がいるか、治療内容と費用の説明が明確か、通いやすい立地と診療時間か、矯正治療以外の歯科治療にも対応しているかを確認しましょう。

お子様の将来のために、適切な時期に矯正治療を開始することが大切です。費用面での不安を解消し、納得できる治療プランを見つけてください。

むらせ歯科千葉みなと院では、日本矯正歯科学会有資格者による専門的な小児矯正治療を提供しています。初回相談は無料ですので、お子様の歯並びが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

 

舌癖が歯並びに与える影響とは?小児矯正で改善できる理由を徹底解説

2025年12月11日

舌癖が歯並びに与える影響とは?小児矯正で改善できる理由を徹底解説

舌癖とは?お子さんの歯並びに潜む見えない原因

お子さんの歯並びが気になる保護者の方は多いでしょう。

実は、歯並びの乱れには遺伝だけでなく、日常的な「癖」が大きく関わっていることをご存じですか?その中でも特に注目すべきなのが「舌癖(ぜつへき)」です。舌癖とは、無意識のうちに舌で歯を押したり、歯と歯の間に舌を挟んだり、舌を噛んだりする癖のことを指します。

この舌癖は、一見些細な癖に見えるかもしれません。しかし、食べ物を飲み込むたびに繰り返されることで、歯や顎の骨に持続的な力が加わり続けます。成長期のお子さんにとって、この継続的な圧力は歯並びや顎の発育に深刻な影響を及ぼす可能性があるのです。

本記事では、東京歯科大学大学院を修了した専門家の視点から、舌癖が歯並びに与える影響と、小児矯正による改善方法について詳しく解説していきます。

舌癖が引き起こす具体的な歯並びへの影響

出っ歯(上顎前突)のリスク

舌で上の前歯を内側から押す癖があると、その持続的な圧力によって前歯が徐々に前方へと傾いていきます。

この状態が続くと、いわゆる「出っ歯」と呼ばれる上顎前突になってしまうのです。特に成長期のお子さんの場合、骨格がまだ柔らかいため、舌の圧力による影響を受けやすい傾向があります。上顎前突は見た目の問題だけでなく、口が閉じにくくなることで口呼吸を助長し、さらなる口腔機能の問題を引き起こす可能性もあります。

開咬(かいこう)という深刻な問題

舌を上下の前歯で噛む癖や、歯と歯の間に舌を押し付ける癖がある場合、「開咬」という状態になることがあります。開咬とは、奥歯で噛んだ際に前歯が噛み合わず、上下の前歯の間に縦方向の隙間ができてしまう状態です。

この状態では、前歯で食べ物を噛み切ることができません。また、発音にも影響を及ぼし、特にサ行やタ行の発音が不明瞭になる傾向があります。開咬は矯正治療の中でも難易度が高く、早期の対策が重要とされています。

受け口(下顎前突)への影響

舌が常に低い位置にある「低位舌」の状態では、食べ物を飲み込む際に舌で下の前歯を内側から押してしまうことがあります。

この習慣が続くと、下の前歯が前方に傾き、受け口になるリスクが高まります。受け口は顎の成長バランスにも影響を与え、顔貌の変化をもたらすこともあるため、できるだけ早期の介入が望ましいとされています。

舌癖が生じる主な原因とは

指しゃぶりの長期化

指しゃぶりは赤ちゃんの頃には自然な行動です。しかし、4歳から5歳を過ぎても続いている場合は注意が必要でしょう。

長期間の指しゃぶりによって前歯が傾き、上下の歯の間に隙間ができてしまうことがあります。すると、その隙間が気になって無意識に舌を入れてしまい、指しゃぶりをやめた後も舌癖として残ってしまうケースが多く見られます。

口呼吸との密接な関係

アレルギー性鼻炎や慢性的な鼻づまりがあると、鼻で呼吸することが困難になり、口呼吸が習慣化してしまいます。

口呼吸をしていると、舌が常に低い位置に下がった状態になります。この低位舌の状態では、食べ物を飲み込む際に舌を前方に突き出すような動きが生じやすく、舌癖の原因となるのです。また、口呼吸は口周りの筋肉(口輪筋)の発達を妨げ、顎が小さくなることで歯が生えるスペースが不足する原因にもなります。

舌小帯が短い場合

舌の裏側にあるヒモ状の組織を「舌小帯(ぜつしょうたい)」と呼びます。この舌小帯が生まれつき短い場合、舌を上に持ち上げることが困難になります。

正しい舌の位置である「スポット」に舌先が届かないため、結果として低位舌になり、舌癖が生じやすくなるのです。舌小帯が短い場合は、必要に応じて外科的な処置を検討することもあります。

小児矯正で舌癖を改善できる理由

Ⅰ期治療における口腔周囲筋のトレーニング

小児矯正は一般的に「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の二段階で行われます。

Ⅰ期治療では、歯を直接動かすのではなく、口腔周囲筋のトレーニングを中心に行います。歯並びが悪くなる根本的な原因は、口周りの癖による口腔周囲筋の機能不全であることが多いためです。舌癖や口呼吸、逆嚥下(食べ物を飲み込む際に舌が前に出る癖)などの悪習慣を改善することで、歯並びの悪化を防ぎ、正しい成長を促すことができます。

マイオブレースによる習慣改善

歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)は、舌癖や口呼吸などの悪習慣を改善するための装置です。

この装置を使用することで、舌の正しい位置を習得し、口呼吸から鼻呼吸への転換を促すことができます。マイオブレースは取り外し可能な装置で、主に就寝時と日中の一定時間装着します。並行して、舌や口、呼吸のトレーニングを行うことで、根本的な原因から歯並びの問題にアプローチできるのです。

成長期だからこそ効果的な理由

小児期は骨格が柔軟で、成長の力を利用できる貴重な時期です。この時期に舌癖を改善し、正しい口腔機能を獲得することで、顎の正常な発育を促すことができます。

成人になってから舌癖を改善しようとすると、すでに骨格が固まっているため、改善が困難になることが多いのです。また、すでに歯並びに影響が出ている場合でも、成長期であれば抜歯をせずに治療できる可能性が高まります。

舌癖改善のための具体的なトレーニング方法

正しい舌の位置「スポット」を覚える

まず、お子さんに正しい舌の位置を教えることが重要です。

安静時の舌の正しい位置は、舌先が上の前歯の付け根より少し手前に軽く触れ、舌全体が上顎にくっついた状態です。この位置を「スポット」と呼びます。スポットに舌を置くと、自然と口が閉じ、鼻呼吸がしやすくなります。お子さんにこの位置を意識してもらい、日常的に習慣づけることが大切です。

あいうべ体操の実践

「あいうべ体操」は、舌や口周りの筋肉を鍛える効果的なトレーニング方法です。

「あー」と口を大きく開ける、「いー」と口角を横に引く、「うー」と口を突き出す、「べー」と舌を思い切り出す、という4つの動作を1セットとして、1日30回程度繰り返します。この体操を継続することで、舌の筋力が向上し、正しい舌の位置を保ちやすくなります。また、口呼吸の改善にも効果が期待できます。

ガムトレーニングの活用

キシリトール入りのガムを使ったトレーニングも有効です。

口の中でガムを丸めたり伸ばしたりすることで、舌の筋肉を効果的に鍛えることができます。また、硬いものをよく噛む習慣をつけることも重要です。煎餅やスルメなど、しっかり噛む必要がある食べ物を取り入れることで、舌の筋力向上と正しい舌の動きの習得につながります。

むらせ歯科千葉みなと院の小児矯正アプローチ

日本矯正歯科学会有資格者による専門的な治療

むらせ歯科千葉みなと院では、日本矯正歯科学会有資格者(非常勤)が在籍し、専門的な矯正治療を提供しています。

矯正治療の専門教育を受け、豊富な臨床経験を積んだドクターが、お子さん一人ひとりの状態に合わせた最適な治療計画を立案します。舌癖の改善を含めた包括的なアプローチにより、単に歯並びを整えるだけでなく、根本的な原因から改善を目指します。

予防矯正(Ⅰ期治療)の特徴

永久歯が生えそろう前のお子さんを対象とした予防矯正では、マイオブレースを使用した口腔周囲筋のトレーニングを実施します。

口呼吸や舌癖などの悪習慣を改善することで、歯並びの悪化を防ぎ、正しい顎の発育を促します。治療費は44万円(税込)で、歯並びの状態によってはⅠ期治療のみで完了する場合もあります。患者さんとのコミュニケーションアプリを導入しており、治療の進捗を視覚的に確認できる点も特徴です。

矯正治療と同時に虫歯・歯周病予防も対応

矯正専門のクリニックでは対応できないことが多い虫歯治療や歯周病治療にも対応しています。

矯正治療を始める前の初期処置や、矯正中の口内環境維持をサポートできるため、お子さんの口腔健康を総合的に管理することが可能です。また、顎関節に配慮したスプリント療法も実施しており、顎関節症起因の頭痛や肩こり、顎の痛みなどの改善も見込めます。

まとめ:舌癖の早期発見と改善が健康な歯並びへの鍵

舌癖は、一見些細な癖に見えても、お子さんの歯並びや顎の発育に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

出っ歯、開咬、受け口といった歯並びの問題は、舌癖が原因で引き起こされることが多いのです。しかし、成長期のお子さんであれば、小児矯正によって舌癖を改善し、正しい口腔機能を獲得することが可能です。

Ⅰ期治療では、マイオブレースを使用した口腔周囲筋のトレーニングを中心に、舌癖や口呼吸などの悪習慣を根本から改善します。この時期に適切な介入を行うことで、将来的な抜歯矯正のリスクを減らし、健康的な歯並びと顔貌の発育を促すことができるでしょう。

お子さんの舌癖が気になる場合は、できるだけ早めに専門医に相談することをお勧めします。むらせ歯科千葉みなと院では、日本矯正歯科学会有資格者による専門的な診断と治療計画の立案が可能です。また、矯正治療だけでなく、虫歯や歯周病の予防・治療にも対応しており、お子さんの口腔健康を総合的にサポートします。

舌癖の改善は、お子さんの一生の健康につながる大切な取り組みです。正しい知識を持ち、適切なタイミングで専門的なケアを受けることで、お子さんの健やかな成長を支えていきましょう。

お子さんの歯並びや舌癖について気になることがあれば、ぜひむらせ歯科千葉みなと院にご相談ください。専門的な知識と経験を持つスタッフが、お子さんの健康な未来をサポートいたします。

 

歯並びより深刻?口呼吸が子どもの成長に与える本当のリスク

2025年12月10日

歯並びより深刻?口呼吸が子どもの成長に与える本当のリスク

お子さんが普段、口を開けたままでいることはありませんか?

テレビを見ているとき、勉強しているとき、あるいは眠っているとき・・・気づけば口がぽかんと開いている姿を目にすることがあるかもしれません。一見、何気ない癖のように思えるこの「口呼吸」ですが、実は子どもの成長に深刻な影響を及ぼす可能性があることをご存知でしょうか。

歯並びの問題だけではありません。口呼吸は、お子さんの顔の発育、免疫力、集中力、さらには将来の健康状態にまで影響を与えることが明らかになっています。近年の研究では、日本の子どもたちの約30%が日常的に口呼吸をしているというデータも報告されており、もはや見過ごせない現代の疾病といえるでしょう。

この記事では、東京歯科大学で学び、臨床経験を積んできた専門家の視点から、口呼吸が子どもの成長に与える本当のリスクと、その改善方法について詳しく解説します。お子さんの健やかな成長を願う保護者の方々に、ぜひ知っていただきたい内容です。

口呼吸とは何か?なぜ子どもに多いのか

口呼吸とは、文字通り「口で呼吸をする」ことを指します。専門的には「こうこきゅう」と読みますが、一般的には「くちこきゅう」という呼び方が浸透しています。

本来、人間は鼻で呼吸をする生物です。鼻には空気を温め、加湿し、細菌やウイルスをフィルタリングする重要な機能が備わっています。しかし、口呼吸では、こうした防御機能が働かず、冷たく乾燥した空気が直接体内に入ってしまいます。

口呼吸が増加している背景

現代の子どもたちに口呼吸が増えている理由は、複数の要因が複雑に絡み合っています。

まず、食生活の変化が挙げられます。柔らかい食べ物が中心となり、しっかりと噛む機会が減少したことで、口周りの筋肉が十分に発達しなくなりました。口を閉じる力が弱いと、自然と口が開きやすくなってしまいます。

また、スマートフォンやゲーム機の普及も影響しています。画面に集中している間、無意識に口が開いてしまうことが多く、これが習慣化してしまうケースが増えています。さらに、姿勢の悪化も口呼吸を誘発する要因となります。頭が前に出た姿勢では、気道が狭くなり、口で呼吸する方が楽になってしまうのです。

アレルギー性鼻炎との関係

近年、アレルギー性鼻炎や花粉症を持つ子どもが増加しています。鼻が詰まると、当然ながら鼻呼吸が困難になり、口呼吸に頼らざるを得なくなります。一時的な鼻づまりであれば問題ありませんが、慢性的に続くと、口呼吸が習慣化してしまう危険性があります。

また、アデノイド肥大という状態も口呼吸の原因となります。アデノイドとは鼻の奥にあるリンパ組織で、通常は成長とともに縮小しますが、一部の子どもでは肥大し、鼻呼吸を妨げることがあります。

口呼吸が子どもの成長に与える深刻な影響

口呼吸は、単なる癖ではありません。子どもの成長期において、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。

顔の発育と歯並びへの影響

口呼吸を続けると、舌の位置が下がります。本来、舌は上顎に軽く触れているのが正常な位置ですが、口呼吸では舌が下がり、前歯を押し出してしまいます。その結果、出っ歯や開咬(前歯が噛み合わない状態)が起こりやすくなります。

さらに、口を開けたままでいると、唇の筋力が低下し、歯並びが崩れやすくなります。上顎の成長が妨げられると、歯列が狭くなり、歯が重なり合う「叢生」という状態になることもあります。顎の発育不全は、将来的に矯正治療が必要になる可能性を高めてしまいます。

免疫力の低下と感染症リスク

鼻呼吸では、鼻腔内の繊毛が細菌やウイルスをキャッチし、体内への侵入を防いでいます。しかし、口呼吸ではこの防御機能が働かず、病原菌が直接体内に入りやすくなります。

また、口呼吸によって口腔内が乾燥すると、唾液の分泌量が減少します。唾液には抗菌作用があり、細菌の繁殖を抑える重要な役割を果たしていますが、その機能が低下してしまうのです。結果として、風邪をひきやすくなったり、虫歯や歯周病のリスクが高まったりします。

脳への酸素供給不足と知能発達への影響

口呼吸は、鼻呼吸と比べて脳への酸素供給が最大で40%減少するという報告があります。脳は体内で消費される酸素の約25%を必要とする臓器であり、酸素不足は記憶力や集中力の低下を招く可能性があります。

オーストラリアの研究では、口呼吸をしている子どもは知能指数(IQ)が年に5~10低下する可能性があるという結果も報告されています。これは、本来到達できるはずの知能レベルに届かなくなるということを意味します。成長期の子どもにとって、これは見過ごせない問題です。

睡眠の質の低下と成長ホルモンへの影響

口呼吸は、睡眠時無呼吸症候群のリスクを高めます。睡眠中に呼吸が乱れると、深い眠りが得にくくなり、成長ホルモンの分泌が不十分になる可能性があります。成長ホルモンは、子どもの身体的な成長だけでなく、脳の発達にも重要な役割を果たしています。

また、睡眠の質が低下すると、日中の集中力や学習能力にも影響が出ます。学校での成績や日常生活にも支障をきたす可能性があるため、早期の対策が必要です。

口呼吸のチェック方法と早期発見の重要性

お子さんが口呼吸をしているかどうか、まずは確認してみましょう。

家庭でできる簡単なチェック方法

口呼吸の兆候は、日常生活の中で観察することができます。以下のような特徴が見られる場合は、口呼吸の可能性があります。

  • 普段から口が開いていることが多い
  • 睡眠中に口を開けて寝ている
  • いびきをかくことがある
  • 食事中に音を立てて食べる
  • 口臭が気になる
  • 風邪をひきやすい
  • 集中力が続かない
  • 唇が乾燥しやすい

これらの症状が複数当てはまる場合は、口呼吸が習慣化している可能性が高いといえます。

専門家による診断の重要性

家庭でのチェックも有効ですが、専門家による診断を受けることで、より正確に口呼吸の状態を把握できます。歯科医院では、口腔内の状態、舌の位置、唇の動きなどを詳しく確認してもらえます。

定期的な歯科検診を受けることで、口呼吸の傾向を早期に発見できます。早期発見・早期対策が、お子さんの健やかな成長を支える鍵となります。

全国疫学調査から見る口呼吸の実態

新潟大学の研究グループによる全国大規模疫学調査では、日本の子どもたちの約30.7%が日常的に口呼吸をしていることが明らかになりました。この割合は年齢とともに増加する傾向があり、自然に改善することは期待しにくいという結果も示されています。

つまり、口呼吸は放置すれば悪化する可能性が高く、積極的な介入が必要な状態といえるのです。

口呼吸を改善するための具体的な方法

口呼吸は、適切な対策を取ることで改善が可能です。

鼻呼吸トレーニングの実践

鼻呼吸を習慣づけるためのトレーニングが効果的です。まず、口を閉じた状態で鼻からゆっくり深呼吸する練習を行います。舌を上顎につけた状態で鼻呼吸を意識することで、正しい舌の位置を維持しやすくなります。

また、「あいうべ体操」という口周りの筋肉を鍛える運動も有効です。口を大きく開けて「あ・い・う・べ」と発音することで、口周りの筋肉を強化し、自然と口を閉じる力を高めることができます。

鼻づまりの解消

アレルギー性鼻炎や慢性鼻炎が原因で口呼吸になっている場合は、耳鼻咽喉科での治療が必要です。鼻づまりを解消することで、鼻呼吸がしやすくなり、口呼吸の改善につながります。

花粉症の場合も、適切な治療を受けることで症状を軽減できます。「毎年春だけだから」と放置せず、専門医に相談することが大切です。

姿勢の改善

姿勢の悪化も口呼吸の原因となります。スマートフォンやゲーム機を使用する際の姿勢に注意し、頭が前に出ないように意識しましょう。正しい姿勢を保つことで、気道が確保され、鼻呼吸がしやすくなります。

小児矯正による根本的な改善

口周りの筋肉の機能不全が原因で口呼吸になっている場合、小児矯正が有効です。当院では、歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)を使用した「Ⅰ期治療」を行っています。

マイオブレースは、歯を直接動かすのではなく、口周りの筋肉のトレーニングを通じて、口呼吸や舌癖などの悪習慣を改善します。舌の位置を正しくし、口を閉じる力を強化することで、自然な鼻呼吸を促します。

Ⅰ期治療は、永久歯が生えそろう前のお子さんを対象としており、成長期の顎の発育を利用して、理想的な歯並びと正しい呼吸を獲得することを目指します。早期に介入することで、将来的な矯正治療の負担を軽減できる可能性もあります。

むらせ歯科千葉みなと院での小児矯正の特徴

当院では、日本矯正歯科学会有資格者(非常勤)が在籍し、専門的な矯正治療を提供しています。

Ⅰ期治療とⅡ期治療の2段階アプローチ

子どもの矯正治療は、一般的に「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の2段階で行います。Ⅰ期治療では、主に口腔周囲筋のトレーニングを行い、口呼吸や舌癖などの悪習慣を改善します。歯並びの状態によっては、Ⅰ期治療のみで完了する場合もあります。

Ⅰ期治療が完了しても、歯並びが悪かったり、上下の歯がうまく噛み合わなかったりする場合は、Ⅱ期治療を実施します。Ⅱ期治療では、すべての歯に矯正装置を装着し、理想的な歯並びと噛み合わせを目指します。

虫歯・歯周病治療にも対応

矯正治療だけでなく、虫歯治療や歯周病治療にも対応しています。矯正を始める前の初期処置や、矯正中の口内環境維持をサポートすることで、総合的な口腔健康を守ります。矯正専門のクリニックでは対応できない場合が多いこうした治療も、当院では一貫して行えます。

顎関節に配慮したスプリント療法

歯並びが悪いことで噛み合わせが悪くなっている場合、顎の関節にもトラブルが生じることがあります。当院では、矯正治療に入る前にスプリント療法を行うことで、顎関節症などのトラブルも同時に改善していきます。これにより、顎関節症起因の頭痛、肩こり、顎の痛みなどの改善が見込めます。

患者さんとのコミュニケーションを重視

当院では、患者さんとのコミュニケーションアプリを導入し、歯の移動状況をスライドショーでチェックできるようにしています。どのくらい歯が動いたかを視覚的に確認できることで、矯正治療中の励みになります。

まとめ:お子さんの未来のために今できること

口呼吸は、単なる癖ではなく、子どもの成長に深刻な影響を与える可能性がある問題です。

歯並びや顔の発育、免疫力、脳への酸素供給、睡眠の質など、さまざまな側面でお子さんの健康を脅かします。しかし、早期に発見し、適切な対策を取ることで、改善が可能です。

家庭でのチェックや鼻呼吸トレーニング、鼻づまりの治療、姿勢の改善など、できることから始めてみましょう。そして、専門家による診断と治療を受けることで、より確実に口呼吸を改善できます。

当院では、日本矯正歯科学会有資格者が在籍し、マイオブレースを使用したⅠ期治療をはじめ、お子さん一人ひとりに合わせた矯正治療を提供しています。虫歯・歯周病治療や顎関節症治療にも対応し、総合的な口腔健康をサポートします。

お子さんの健やかな成長を願うなら、今こそ行動を起こす時です。口呼吸の改善は、お子さんの未来を明るくする第一歩となるでしょう。

むらせ歯科千葉みなと院では、無料の矯正相談を実施しています。お子さんの口呼吸や歯並びが気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。専門的な視点から、お子さんに最適な治療プランをご提案いたします。

 

インプラントの寿命はメンテナンスで決まる!長持ちさせる秘訣を専門医が徹底解説

2025年12月9日

インプラントの寿命はメンテナンスで決まる!長持ちさせる秘訣を専門医が徹底解説

インプラントの寿命を左右する最大の要因とは

インプラント治療を受けた方にとって、「どれくらい持つのか」は最も気になる疑問の一つです。

実は、インプラント本体には明確な使用期限がありません。チタン製のインプラント体は腐食や劣化がほとんどなく、人工関節や医療機器にも使われる素材で、長期安定性が科学的に証明されています。しかし、だからといって「一生もの」と安心してはいけません。

インプラントの実質的な寿命を決めるのは、治療後のメンテナンスと日々のケアです。適切な管理を行えば30年以上使用できる可能性も十分にありますが、メンテナンスを怠ると10年を待たずに問題が生じることもあります。

天然歯を最優先に考え、可能な限り抜歯を避ける方針を掲げている当院では、インプラント治療後のフォローアップも重視しています。インプラントを長く快適に使い続けるために、科学的根拠に基づいたオリジナルのメンテナンスシステムを提供しています。

インプラントの平均寿命と他の治療法との比較

インプラントは10年以上が一般的

インプラントの平均寿命は、一般的に10年以上とされています。

海外の長期追跡調査では、20年以上経過しても90%以上のインプラントが正常に機能しているという報告もあります。50歳でインプラント治療を受けた方が80歳まで問題なく使用し続けているケースは珍しくありません。

ただし、これはあくまで統計上の数値であり、実際には個人差や使用環境によって大きく左右されます。丁寧に扱うと寿命以上に長く機能を保つことができるため、しっかりとメンテナンスを行うことが大切です。

入れ歯やブリッジとの寿命の違い

他の治療法と比較すると、インプラントの優位性が明確になります。

入れ歯は1~2年程度、ブリッジは5年程度で使えなくなってしまうことが多いため、寿命の面ではインプラントが最も長いといえます。また、インプラントは自然の歯に近い素材を使用することから、入れ歯やブリッジに比べて審美性の高い仕上がりが期待できます。

さらに、入れ歯では将来他の歯に負担がかかり、歯の健康を損ねたり歯肉がやせてきてしまい結果的に歯の寿命を縮めてしまいます。ブリッジの場合は、前後の健康な歯を大きく削らなければいけないため、歯の寿命が短くなってしまいます。

インプラントは他の健康な歯への負担が少なく済むというメリットがあるのです。しっかり噛むことで脳に新鮮な血液が行き渡り、認知症予防にも役立つという研究結果も報告されています。

メンテナンス不足が引き起こす深刻なトラブル

インプラント周囲炎のリスク

インプラント治療後に正しいメンテナンスが行われなかった場合、最も深刻なトラブルがインプラント周囲炎です。

インプラント周囲炎は、インプラントを支えている顎の骨が溶けてしまう病気です。メカニズムは歯周病と同様で、口腔衛生状態が悪くなると発生しやすくなります。しかし、歯周病に比べて見た目の炎症や腫れが目立ちにくく、進行速度も格段に速いため、より気を付ける必要があります。

重要なのは、インプラントの周りの骨が溶けても痛みのシグナルはないということです。自分では気付かないと思ってください。異変に気付くのは、知識のある歯科医と歯科衛生士です。

インプラント周囲炎が進行し顎の骨にまで炎症が広がると、インプラントがグラついたり、最悪の場合インプラントが脱落することもあります。

装置の不具合と噛み合わせの変化

長年インプラントの使用を続けていると、装置に様々な不具合が生じてきます。

特に、歯ぎしりや食いしばりによってインプラントに強い負荷がかかると、上部構造とインプラント体をつなぐスクリュー(ネジ)が緩んだり、歯の部分となる上部構造がすり減ったりといったトラブルが引き起こされます。

また、インプラント手術直後は正しかった噛み合わせも、時間が経つとお口の癖や装置の不具合によって変化していきます。噛み合わせのバランスが崩れると、噛む機能が低下して胃腸に負担がかかったり、顔貌の歪みや顎関節症などのリスクが高まります。

これらのトラブルの早期発見・治療につなげ、長くインプラントをお使いいただくためにも、治療後に歯科医院で定期メンテナンスを受けることは非常に重要なことなのです。

インプラントを長持ちさせる4つの秘訣

秘訣1:毎日のセルフケアを徹底する

インプラントを長く使い続けるための基本は、毎日のセルフケアです。

インプラントは虫歯にはなりませんが、インプラント周りの清掃が不十分になると周辺組織が歯周病菌に感染し、インプラント周囲炎を発症します。通常のブラッシングに加えて、フロスや歯間ブラシを使って汚れを残さないことが重要です。

セルフケアの質を高めることで、インプラント周囲炎や虫歯・歯周病の予防につなげることができます。適切な磨き方や清掃アイテムの使用方法については、予防のプロフェッショナルである歯科衛生士がアドバイスします。

秘訣2:定期メンテナンスを必ず受ける

どれだけ丁寧にセルフケアを行っていても、専門家によるメンテナンスは不可欠です。

一般的に3~6ヶ月に1回程度のペースでメンテナンスを受けていただくことをおすすめしています。メンテナンスには「いつまで」という期間はなく、インプラントを長く快適にお使いいただくためには継続して通っていただくことが大切です。

定期メンテナンスでは、口腔内のチェック、レントゲン検査、PMTC(歯のクリーニング)、噛み合わせの調整などを行います。インプラントの金属やセラミックを傷付けないためのインプラント専用の超音波スケーラーチップを使い、プロの手で管理をしていきます。

重要なデータがあります。インプラント周囲の骨が溶けてしまった人でも、それが軽度の2mm~4mmで対処したら、多くのインプラントは健康な状態になった(74%)が、重度の骨吸収である7mm以上に進行してから治療を開始したインプラントは、たった22%しか健康な状態にならなかったという海外の研究結果があります。

つまり、早期発見ほど治る可能性が高いのです。

秘訣3:噛み合わせの調整を定期的に行う

噛み合わせの管理は、インプラントの寿命に直接影響します。

咬合紙という紙を使って噛み合わせに不具合がないかチェックし、噛み合わせが悪い箇所が見つかった場合は微調整を行います。負担を分散させてインプラントを守ることで、長期的な安定性が保たれます。

特に、前歯や奥歯などインプラントを埋入した箇所や、歯並びなどによって寿命が異なる場合があります。一般的には、噛む力が強い奥歯(大臼歯部)は負担がかかりやすいぶん寿命も短い傾向にあるとされていますが、実際は歯並びや噛み合わせによってケースバイケースです。

秘訣4:生活習慣の見直しと全身の健康管理

インプラントの寿命は、全身の健康状態とも密接に関係しています。

禁煙や全身の健康管理が長持ちのカギとなります。喫煙や糖尿病によるリスク上昇は科学的に証明されており、これらの要因はインプラント周囲炎の発症リスクを高めます。

糖尿病や心臓病、高血圧などの理由でインプラントを断られるケースはよく見受けられます。以前は、これらの症状がある場合は、多少リスクが高くなるとされていたため、断る医院さんが多かったようです。ただし、近年では、体調の改善と共に、生体モニタリングなどを注視しながら行うことで可能になることもあります。

当院では、内科医の判断も仰ぎながらご提案をさせていただきますので、他院で断られたとしても、諦めずに一度ご相談ください。

当院のインプラント治療とメンテナンスの特徴

安全を最優先した「コンピュータインプラント」

当院では、CT装置、シミュレーションソフト、ガイデッドサージェリーを活用した「コンピュータインプラント」で安全性を向上させています。

CTは骨の量や厚み、神経の位置などを三次元に捉えることができる撮影装置です。従来のレントゲンでは二次元撮影までしかできなかったため、患者さんの状況把握が適切にできるとは限りませんでした。CTを用いると、様々な角度からの解析が可能なため、より正確な診断ができ、治療の安全性と質を高めることができます。

ガイデッドサージェリーとは、インプラント手術を正確に行うために用いられる、マウスピースのような器具のことです。どの位置に、どの角度で、どの深さまでインプラントを埋め込むかを分かりやすくした補助器具で、安全で正確な治療ができるだけでなく、手術時間の短縮などにもつながり、患者さんの肉体的・精神的負担を軽減させることができます。

世界標準のメーカーと10年保証システム

当院では、インプラントメーカーとして世界のシェアの1位と2位である「ストローマン」と「ノーベルバイオケア」の2社のものを採用しています。

世界におけるシェアが高いということは、それだけ多くの治療実績があり、国際的な信用度も高いメーカーであるということです。ストローマンは世界シェア第1位のインプラントメーカーで、手術の成功率が約97%、生存率が約98%と、高い信頼性が証明されています。

また、インプラント治療に10年の保証期間を設けています。インプラントの第三者保証期間である「ガイドデント」に認定されており、一般的には保証対象とならないケースにも対応が可能です。転倒などによってインプラントが破損・脱落した場合でも、無償で再治療を行うものです。

さらに、ガイドデントに加盟している全国の認定医院で、引き続き保証を受けることが可能です。遠方に引越ししてしまっても保証内容は変わらず継続されます。

科学的根拠に基づいたオリジナルメンテナンスシステム

当院では、科学的根拠に基づいたオリジナルのメンテナンスシステムがあります。

患者さんそれぞれに合わせたメンテナンスプログラムを作成し、インプラントも含めたお口の全体の状態を管理いたします。通常は上部構造を外さないまま、ときには上部構造を外した状態で歯科衛生士が専用の機材を使って徹底的な清掃を行います。

また、インプラントやインプラント周囲組織に異常がないか検診も行ないます。問題があれば早めに対処できる機会を得ることができます。インプラント治療は、インプラントを埋めたら終わりというようなものではありません。長く使い続けていただくためには、治療後も定期的にメンテナンスを行っていく必要があるのです。

まとめ:インプラントの寿命は「あなた次第」で決まる

インプラント本体には明確な使用期限はありません。

しかし、それを「一生使えるもの」にするかどうかは、日々のケアと定期的なチェック次第です。毎日のセルフケア、定期メンテナンス、噛み合わせの調整、生活習慣の見直しという4つの秘訣を実践することで、インプラントを30年以上使用できる可能性も十分にあります。

逆に、メンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎などの深刻なトラブルが発生し、10年を待たずに問題が生じることもあります。特に、インプラント周囲炎は痛みのシグナルがなく、自分では気付かないことが多いため、専門家による定期的なチェックが不可欠です。

当院では、天然歯を最優先に考え、可能な限り抜歯を避ける方針を掲げています。どうしても歯を残すことができない場合のみ、インプラント治療をご提案しています。そして、インプラント治療後も、科学的根拠に基づいたオリジナルのメンテナンスシステムで、患者さんのお口の健康を長期的にサポートしています。

「長く安心して使いたい」「寿命が気になる」という方は、ぜひ一度ご相談ください。世界標準のメーカー製品を使用し、コンピュータインプラントで安全性を高め、10年保証システム「ガイドデント」で万が一の事故にも対応できる体制を整えています。

インプラントは、単に失った歯を補うだけの治療ではありません。他の健康な歯を守り、しっかり噛むことで脳に新鮮な血液が行き渡り、認知症予防にも役立つという研究結果も報告されています。インプラントは歯、そして全身の健康を守るのに役立つ治療方法なのです。

あなたのインプラントを長く快適に使い続けるために、私たちは全力でサポートいたします。

 

初診「個別」相談へのご案内

当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。ご興味がある方は下記からお問い合わせください。

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