日本人では親知らずを抜歯する方が非常に多いです。
しかし、すべての親知らずを必ず抜かなければならない、というわけではありません。
適切な位置に生えてきて、歯の健康が維持できるのであれば、親知らずはそのままにしておいて問題ありません。
しかし、顎の比較的小さめな方の場合、斜め方向に生えてきてしまうようなケースも多く、生えてきた親知らず歯がほかの歯を押して痛みを感じることもあります。
このようにトラブルが生じてしまうことを防ぐために、親知らずを抜歯することが必要になるのです。
「必ず抜かなければならない」のではなく、「問題になりそうなら抜歯する」と考えていただくのが良いでしょう。
親知らずは、奥歯を失った際にブリッジ型の人工歯をセットするために用いることができたり、親知らずをほかの歯の場所に移植したりすることができます。
『予備の歯』として温存しておくことができるため、抜かずにおいておくことのメリットもあるのです。
また、抜歯を行うと数日間は痛みや腫れを伴うケースもあります。
抜歯する必要があるかどうかは、患者さん個人の状態によっても大きく異なりますので、まずは歯科医に相談していただいて、メリット・デメリットについて把握していただきたいと思います。
患者さんによって様々な状況が考えられますので、まずは歯科医師と相談の上、現状把握、そして親知らずを残しておいた場合の利点と欠点を理解することをお勧めします。
親知らずを的確に抜歯するため、当院では下記のような取り組みを行っています。
複雑な親知らずの抜歯に際しては、顎の神経や太い血管を傷つけないようにするため、あらかじめレントゲン写真などを用いて歯の状況を確認する必要があります。
ここでより正確な判断を下すためには、画像を三次元に取り込んでチェックすることが重要です。それを行える機器がCTなのです。
CTによる診断が必要かどうかは症例によって異なりますが、必要に応じて使用し、適切な治療を行います。
※CTの費用は保険適用になる場合と、適用外になる場合があります。詳細についてはご来院時などにお尋ねください。
水平埋伏歯
顎の骨の中で横向きに生えている歯のことを、水平埋伏歯といいます。
骨の中に埋まった状態の親知らずなので、まっすぐに生えてこようとしている親知らずよりも抜歯するのが難しいです。
抜歯方法は、歯茎を切り開いて、親知らずや顎の骨の一部分を削るなどして抜いていきます。必要に応じて親知らずを割るなどの処置も必要です。
戦略的抜歯
現時点では親知らず歯に問題がなくとも、将来的に明らかにトラブルの原因となりそうであるときに行う抜歯を、戦略的抜歯といいます。
親知らずは奥のほうにあるため、どうしても磨き残しが多くなりやすく、虫歯リスクが高い歯です。
ある程度虫歯が進行してしまい、今後もブラッシングによるセルフケアが難しそうな場合には、戦略的抜歯をお勧めすることもあります。ほかにも、いくつかの症例では戦略的抜歯をお勧めすることがあります。
当院の口腔外科では、親知らずの抜歯以外にも、顎関節症、口内炎、スポーツなどによる外傷、歯牙移植術といったものまで、幅広い疾患に対応しています。
顎に違和感がある、腫れや痛みがあるなど、気になる点がありましたらお気軽にご相談ください。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。ご興味がある方は下記からお問い合わせください。