日本は、世界一の超高齢社会です。現在もご高齢の方は増加傾向にあります。
それと同時に、歯科医院に通院できない方も増えてきています。
通院困難な方のために、患者さんのところへ伺って実施する在宅歯科診療が必要なのですが、こうした取り組みを行っている歯科医院は非常に少ないという現状があります。
特に要介護となっている方は、摂食嚥下障害(食べ物をうまく飲み込めない障害)を抱えているケースが多く、食べ物が誤って気管に入ってしまう(誤嚥)トラブルが起こりやすいのです。
誤嚥は、誤嚥性肺炎や窒息を引き起こすリスクがありますので、命にもかかわってくる大きな問題となります。
本来であれば楽しみであるはずの「食」によって、命の危機にさらされてしまうかもしれません。
歯科医師が在宅診療で行うべきことは、食生活に関する支援の総合的な専門家になることだと、私たちは考えています。
食生活を快適に送れるよう支援することは、肺炎や窒息などのリスクを低下させ、安心して食事を楽しめる環境を作り出すことにもつながります。
私たちは、いつまでも楽しんで食事ができる生活を、歯科医という立場からサポートしたいと考えています。
訪問の際に、歯石や歯垢を除去することができるほか、歯を削ることも可能です。
また、入れ歯の調整などにもご対応いたします。
通常よりは小型になりますが、歯科医院で使用している機械と同じ機能を持った装置で診療いたします。
誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液に含まれている細菌が気管や肺に侵入し、炎症を起こす病気のことです。
若い人の場合であっても、誤嚥は起きるリスクがあります。しかし、免疫力が充分に高ければ、肺炎を起こすほどのことはありません。
一方、高齢の方になると、咳によって誤嚥したものを吐き出す力も弱っていますので、一度誤嚥してしまうと、症状が悪化しやすくなります。
厚生労働省の発表によると、日本人の死亡原因の第4位は肺炎となっていますが、肺炎によりなくなる方の90%以上は75歳以上なのです。
高齢の方にとって肺炎がどれほど危険な病気かということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
誤嚥性肺炎のリスクを低減させるためには、お口の中を清潔に保つことのほかに、嚥下訓練(上手に飲み込むためのトレーニング)も欠かせません。
当院のドクターは、大学病院で摂食嚥下リハビリテーションを学んでおり、嚥下機能のトレーニングについても対応することが可能です。
もし抜歯が必要ということになっても、安心してください。
服用されている薬が多い方であっても、医師や介護職の方と連携を取りながら、安全な抜歯術を行います。
通常の義歯はもちろん、うまく飲み込むことができるようにお口の動きを円滑にできる、特殊な義歯を、保険適用で作製します。
要介護状態や障害により歯科医院へ通院不可能な方
1. 虫歯、歯周病の治療、予防
2. 入れ歯の作製、修理、調整
3. 口腔ケアで感染症予防 誤嚥性肺炎の予防
4. 摂食嚥下障害のリハビリテーション
当院に来院して治療した場合と同じ扱いになりますので、各種保険が適用されます。
医療費の医療保険は1割(または3割)、介護保険は1割(または3割)が一部負担金となります。1ヶ月の医療費自己負担額には所得により上限があります。
医療費自己負担額の上限は、個人(または世帯主)の月内医療費総額が対象になります。
・一般所得者の医療費負担総額上限12,000円(1割負担)
・一定以上所得者の医療費負担総額上限44,400円(3割負担)
上限を超えたものについては「償還払い制度」により、市町村から超過分の償還払いを受けることになります。
3割負担。
無料
「心身障害者医療費助成申請書」を自治体に提出済みの方に限ります。また、一部立替払いとなる地域もあります。その場合は後日、自治体より返金されます。
なお地域によっては有償での診療になる場合もございます。
※介護保険:口腔内のケア(在宅のみ)は適用となります。
※出張費 および謝礼等は一切いただきません。
当院の所在地から16km圏内にあるご自宅・病院・施設が訪問診療の対象になります。
当院にお電話いただき、症状やご要望をお教えください。患者さんのご自宅に伺う日程を決めさせていただきます。
ご予約を頂いた日時に訪問チームが伺います。ご自宅以外でもご要望がございましたら、老人ホーム、病院などにも伺うことができます。
患者さん、またはご家族の方に問診票にご記入いただき、詳しいご要望を伺います。治療内容をご相談した上で、治療をご希望される方のみ治療開始となります。
診療では、寝たまま、車いすに座ったままなど、患者さんが楽な姿勢で診療をお受けいただけます。お口全体の歯・歯肉、口腔の機能をチェックし、お一人おひとりに必要な治療と口腔のケア・嚥下訓練などを行っていきます。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。ご興味がある方は下記からお問い合わせください。