残念なことに、歯周病の患者さんは年々増加傾向にあり、なかなか改善されていない状況です。
それには原因があります。
多くの歯科医院で非科学的/場当たり的な治療しか行っていないからです。
歯周病は、歯周病菌の繁殖による感染症として発生します。つまり、風邪やインフルエンザと同じように、歯周病も感染症なのです。
しかしながら、現状の歯周病治療の多くは、歯石取りや歯垢の除去を優先しています。
歯石や歯垢は歯周病の原因となりますが、歯周病になってしまったあとは、歯石取りや歯垢除去だけでは不十分なのです。
当院では、一般的な歯周病治療に加えて、歯周病の原因となる菌に対しても直接アプローチすることで、歯周病の完治を目指しています。
治療を開始する前に診査診断から開始します。
ここをしっかり行わないと、治療の方向性がずれ、良くなるものも良くなりません。
当院では、細菌へのアプローチを徹底するため、従来からあるレントゲン検査、歯周ポケット検査や生活習慣の問診に加え、次のような検査を実施しています。
歯周病の原因となる菌は、1種類ではありません。
そこで、まずはどのようなタイプの細菌が歯周病の原因となっているのかを確定させるために、位相差顕微鏡を用いて生きたまま病原菌を直接観察します。
これによって病原菌を特定し、より効率的な治療計画を立てることができます。
検査・診断を行うことで、具体的に何をすべきかが判明します。
一般的に行われている歯垢・歯石除去の他、検出された菌に一番効果的な手法で「殺菌」を行います。
病原菌を殺菌するためには、抗生物質を用いることが一般的です。
歯周病においてもこの投薬療法は有効で、原因菌を薬によって殺菌することができます。
投薬治療を行うことで、歯垢除去や歯石除去だけでは治療しきれなかった歯周病を、根本的な解決へと導くことができるのです。
痛みや副作用はありませんので、肉体的・精神的な負担は小さなもので済みます。
歯周病というと、お口の中だけの病気のように感じられるかもしれませんが、実際には数多くの疾患と密接な関係があることが分かってきています。
お口の中で繁殖した歯周病菌が、傷付いた歯茎を通って毛細血管に侵入し、全身に菌が移動してしまうことで様々な悪影響が出てしまうのです。
特に歯周病と関係性が深いと考えられている「糖尿病」「心臓病」「早産」との関係性についてご紹介します。
■糖尿病との関連
歯周病の方は糖尿病を引き起こす確率が高くなります。同様に、糖尿病の方が歯周病になってしまう確率も高いと言われています。
重度歯周病(歯がぐら付きだす程度まで進行している程度)の場合には、軽度歯周病(ブラッシング時に軽く出血する程度)の方に比べて糖尿病が悪化する確率も高まります。
調査結果から、2年後の悪化リスクは約5倍というデータもあるのです。
■心臓病との関連
歯周病菌が毛細血管に入り込むと、血管内で血液が固まって血栓になってしまうケースがあります。
血栓ができると、血管を傷付ける可能性があるほか、血管が詰まってしまう恐れもあります。心臓の血管が詰まると、心筋梗塞や狭心症を起こす危険性があり、最悪の場合、命にもかかわります。
歯周病の方は健康な人に比べて、心臓病を発症するリスクが約2.8倍高いと言われています。
■早産・低体重児との関連
歯周病の方は、健康な方に比べて約7倍、早産や低体重児出産のリスクが高まると言われています。
妊娠中のホルモンバランスの変化や免疫力の低下などは、歯周病発生のリスクを高めますので、特に注意が必要です。
そのほかにも、肺炎や脳卒中など、命にかかわる大きな病気との関連性も高いと報告されています。
歯周病は歯を失うだけではなく、寿命にも大きな影響があるのです。できるだけ早い段階で完治を目指すことをお勧めします。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。ご興味がある方は下記からお問い合わせください。