舌癖が歯並びに与える影響とは?小児矯正で改善できる理由を徹底解説
2025年12月11日
舌癖が歯並びに与える影響とは?小児矯正で改善できる理由を徹底解説

舌癖とは?お子さんの歯並びに潜む見えない原因
お子さんの歯並びが気になる保護者の方は多いでしょう。
実は、歯並びの乱れには遺伝だけでなく、日常的な「癖」が大きく関わっていることをご存じですか?その中でも特に注目すべきなのが「舌癖(ぜつへき)」です。舌癖とは、無意識のうちに舌で歯を押したり、歯と歯の間に舌を挟んだり、舌を噛んだりする癖のことを指します。
この舌癖は、一見些細な癖に見えるかもしれません。しかし、食べ物を飲み込むたびに繰り返されることで、歯や顎の骨に持続的な力が加わり続けます。成長期のお子さんにとって、この継続的な圧力は歯並びや顎の発育に深刻な影響を及ぼす可能性があるのです。
本記事では、東京歯科大学大学院を修了した専門家の視点から、舌癖が歯並びに与える影響と、小児矯正による改善方法について詳しく解説していきます。

舌癖が引き起こす具体的な歯並びへの影響
出っ歯(上顎前突)のリスク
舌で上の前歯を内側から押す癖があると、その持続的な圧力によって前歯が徐々に前方へと傾いていきます。
この状態が続くと、いわゆる「出っ歯」と呼ばれる上顎前突になってしまうのです。特に成長期のお子さんの場合、骨格がまだ柔らかいため、舌の圧力による影響を受けやすい傾向があります。上顎前突は見た目の問題だけでなく、口が閉じにくくなることで口呼吸を助長し、さらなる口腔機能の問題を引き起こす可能性もあります。
開咬(かいこう)という深刻な問題
舌を上下の前歯で噛む癖や、歯と歯の間に舌を押し付ける癖がある場合、「開咬」という状態になることがあります。開咬とは、奥歯で噛んだ際に前歯が噛み合わず、上下の前歯の間に縦方向の隙間ができてしまう状態です。
この状態では、前歯で食べ物を噛み切ることができません。また、発音にも影響を及ぼし、特にサ行やタ行の発音が不明瞭になる傾向があります。開咬は矯正治療の中でも難易度が高く、早期の対策が重要とされています。
受け口(下顎前突)への影響
舌が常に低い位置にある「低位舌」の状態では、食べ物を飲み込む際に舌で下の前歯を内側から押してしまうことがあります。
この習慣が続くと、下の前歯が前方に傾き、受け口になるリスクが高まります。受け口は顎の成長バランスにも影響を与え、顔貌の変化をもたらすこともあるため、できるだけ早期の介入が望ましいとされています。
舌癖が生じる主な原因とは

指しゃぶりの長期化
指しゃぶりは赤ちゃんの頃には自然な行動です。しかし、4歳から5歳を過ぎても続いている場合は注意が必要でしょう。
長期間の指しゃぶりによって前歯が傾き、上下の歯の間に隙間ができてしまうことがあります。すると、その隙間が気になって無意識に舌を入れてしまい、指しゃぶりをやめた後も舌癖として残ってしまうケースが多く見られます。
口呼吸との密接な関係
アレルギー性鼻炎や慢性的な鼻づまりがあると、鼻で呼吸することが困難になり、口呼吸が習慣化してしまいます。
口呼吸をしていると、舌が常に低い位置に下がった状態になります。この低位舌の状態では、食べ物を飲み込む際に舌を前方に突き出すような動きが生じやすく、舌癖の原因となるのです。また、口呼吸は口周りの筋肉(口輪筋)の発達を妨げ、顎が小さくなることで歯が生えるスペースが不足する原因にもなります。
舌小帯が短い場合
舌の裏側にあるヒモ状の組織を「舌小帯(ぜつしょうたい)」と呼びます。この舌小帯が生まれつき短い場合、舌を上に持ち上げることが困難になります。
正しい舌の位置である「スポット」に舌先が届かないため、結果として低位舌になり、舌癖が生じやすくなるのです。舌小帯が短い場合は、必要に応じて外科的な処置を検討することもあります。
小児矯正で舌癖を改善できる理由
Ⅰ期治療における口腔周囲筋のトレーニング
小児矯正は一般的に「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」の二段階で行われます。
Ⅰ期治療では、歯を直接動かすのではなく、口腔周囲筋のトレーニングを中心に行います。歯並びが悪くなる根本的な原因は、口周りの癖による口腔周囲筋の機能不全であることが多いためです。舌癖や口呼吸、逆嚥下(食べ物を飲み込む際に舌が前に出る癖)などの悪習慣を改善することで、歯並びの悪化を防ぎ、正しい成長を促すことができます。
マイオブレースによる習慣改善
歯列矯正用咬合誘導装置(マイオブレース)は、舌癖や口呼吸などの悪習慣を改善するための装置です。
この装置を使用することで、舌の正しい位置を習得し、口呼吸から鼻呼吸への転換を促すことができます。マイオブレースは取り外し可能な装置で、主に就寝時と日中の一定時間装着します。並行して、舌や口、呼吸のトレーニングを行うことで、根本的な原因から歯並びの問題にアプローチできるのです。
成長期だからこそ効果的な理由
小児期は骨格が柔軟で、成長の力を利用できる貴重な時期です。この時期に舌癖を改善し、正しい口腔機能を獲得することで、顎の正常な発育を促すことができます。
成人になってから舌癖を改善しようとすると、すでに骨格が固まっているため、改善が困難になることが多いのです。また、すでに歯並びに影響が出ている場合でも、成長期であれば抜歯をせずに治療できる可能性が高まります。
舌癖改善のための具体的なトレーニング方法

正しい舌の位置「スポット」を覚える
まず、お子さんに正しい舌の位置を教えることが重要です。
安静時の舌の正しい位置は、舌先が上の前歯の付け根より少し手前に軽く触れ、舌全体が上顎にくっついた状態です。この位置を「スポット」と呼びます。スポットに舌を置くと、自然と口が閉じ、鼻呼吸がしやすくなります。お子さんにこの位置を意識してもらい、日常的に習慣づけることが大切です。
あいうべ体操の実践
「あいうべ体操」は、舌や口周りの筋肉を鍛える効果的なトレーニング方法です。
「あー」と口を大きく開ける、「いー」と口角を横に引く、「うー」と口を突き出す、「べー」と舌を思い切り出す、という4つの動作を1セットとして、1日30回程度繰り返します。この体操を継続することで、舌の筋力が向上し、正しい舌の位置を保ちやすくなります。また、口呼吸の改善にも効果が期待できます。
ガムトレーニングの活用
キシリトール入りのガムを使ったトレーニングも有効です。
口の中でガムを丸めたり伸ばしたりすることで、舌の筋肉を効果的に鍛えることができます。また、硬いものをよく噛む習慣をつけることも重要です。煎餅やスルメなど、しっかり噛む必要がある食べ物を取り入れることで、舌の筋力向上と正しい舌の動きの習得につながります。
むらせ歯科千葉みなと院の小児矯正アプローチ
日本矯正歯科学会有資格者による専門的な治療
むらせ歯科千葉みなと院では、日本矯正歯科学会有資格者(非常勤)が在籍し、専門的な矯正治療を提供しています。
矯正治療の専門教育を受け、豊富な臨床経験を積んだドクターが、お子さん一人ひとりの状態に合わせた最適な治療計画を立案します。舌癖の改善を含めた包括的なアプローチにより、単に歯並びを整えるだけでなく、根本的な原因から改善を目指します。
予防矯正(Ⅰ期治療)の特徴
永久歯が生えそろう前のお子さんを対象とした予防矯正では、マイオブレースを使用した口腔周囲筋のトレーニングを実施します。
口呼吸や舌癖などの悪習慣を改善することで、歯並びの悪化を防ぎ、正しい顎の発育を促します。治療費は44万円(税込)で、歯並びの状態によってはⅠ期治療のみで完了する場合もあります。患者さんとのコミュニケーションアプリを導入しており、治療の進捗を視覚的に確認できる点も特徴です。
矯正治療と同時に虫歯・歯周病予防も対応
矯正専門のクリニックでは対応できないことが多い虫歯治療や歯周病治療にも対応しています。
矯正治療を始める前の初期処置や、矯正中の口内環境維持をサポートできるため、お子さんの口腔健康を総合的に管理することが可能です。また、顎関節に配慮したスプリント療法も実施しており、顎関節症起因の頭痛や肩こり、顎の痛みなどの改善も見込めます。

まとめ:舌癖の早期発見と改善が健康な歯並びへの鍵
舌癖は、一見些細な癖に見えても、お子さんの歯並びや顎の発育に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
出っ歯、開咬、受け口といった歯並びの問題は、舌癖が原因で引き起こされることが多いのです。しかし、成長期のお子さんであれば、小児矯正によって舌癖を改善し、正しい口腔機能を獲得することが可能です。
Ⅰ期治療では、マイオブレースを使用した口腔周囲筋のトレーニングを中心に、舌癖や口呼吸などの悪習慣を根本から改善します。この時期に適切な介入を行うことで、将来的な抜歯矯正のリスクを減らし、健康的な歯並びと顔貌の発育を促すことができるでしょう。
お子さんの舌癖が気になる場合は、できるだけ早めに専門医に相談することをお勧めします。むらせ歯科千葉みなと院では、日本矯正歯科学会有資格者による専門的な診断と治療計画の立案が可能です。また、矯正治療だけでなく、虫歯や歯周病の予防・治療にも対応しており、お子さんの口腔健康を総合的にサポートします。
舌癖の改善は、お子さんの一生の健康につながる大切な取り組みです。正しい知識を持ち、適切なタイミングで専門的なケアを受けることで、お子さんの健やかな成長を支えていきましょう。
お子さんの歯並びや舌癖について気になることがあれば、ぜひむらせ歯科千葉みなと院にご相談ください。専門的な知識と経験を持つスタッフが、お子さんの健康な未来をサポートいたします。







